『ガンダム』心がえぐられる「トラウマ死亡シーン」3選 「無駄死にが余計にツラい」
40年以上の歴史を持つ「ガンダム」シリーズでは、作中で数々のキャラクターが衝撃的な死を迎えてきました。なかには一度見ただけでトラウマになってしまうほど、強烈な印象を残したシーンも少なくありません。今回は特に多くの人にトラウマを植え付けた衝撃的な死亡シーンを振り返ります。
戦争の悲惨さが伝わる衝撃的なヘルメットの中身
戦争を描く「ガンダム」シリーズでは、熾烈な戦いの果てに衝撃的な最期を迎えるキャラクターが少なくありません。なかには一度見たら目に焼き付いて忘れられないほど、悲惨な最期を迎えるキャラもいます。そこで今回はトラウマ級に心をえぐられた死亡シーンを振り返ります。
※この記事には『機動戦士Vガンダム』『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のネタバレが含まれています。
●『機動戦士Vガンダム』
ひとつ目は、1993年4月に放送開始された『機動戦士Vガンダム』のワンシーンです。主人公の少年ウッソ・エヴィンはザンスカール帝国軍と戦闘が激化するなか、探し続けていた失踪中の母親ミューラ・ミゲルと再会を果たします。
しかしザンスカール帝国の軍人ゴズ・バールによって、ミューラは生身のままモビルスーツ・ゾリディアに掴まれ人質にされます。ウッソは戦闘にこそ勝利しますが、ゾリディアはミューラを掴んだままアドラステアの砲塔にひっかかってしまい、身動きが取れない状態に。そこへ仲間の攻撃を受けた反動で飛んできたザンスカール軍の巡洋艦「リシテア」のタイヤが、ゾリディアを直撃してしまうのです。
ミューラはゾリディアと共に押しつぶされ、その衝撃でヘルメットを被った首だけになってしまい死亡します。仲間の元に戻ったウッソは、うつろな表情で首が入ったミューラのヘルメットを上官のマーベット・フィンガーハットに差し出して「母さんです」と呟くのでした。
主人公が親を失う展開は他の「ガンダム」シリーズでも見られましたが、ここまで直接的な惨状を目の当たりにした主人公は、ウッソがはじめてだと言えるのではないでしょうか。放送から30年が経過した今でもSNSでは「いまだに『母さんです』がトラウマ」「辛すぎて何度も見れない」という声があがっています。
●『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』
ふたつ目は1989年にリリースされた「ガンダム」シリーズ初のOVA作品である『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の一幕です。コロニー・サイド6で暮らす少年アルフレッド・イズルハは、連邦軍の新型モビルスーツNT-1奪取のためコロニーにやってきた新兵バーナード・ワイズマン(バーニィ)と出会います。
バーニィらの作戦は他のメンバーが死亡したことで失敗に終わり、一度はコロニーを脱出しようとします。しかし核攻撃の計画があることを知ると、もう一度ガンダムと戦うことを決意して脱出を取りやめるのでした。
ザク改に乗ってNT-1との戦いに臨んだバーニィは、激闘の末コックピットをビームサーベルで貫かれて死亡してしまいます。しかも最後の瞬間まで、ガンダムに乗っていたのが、好意を寄せているクリスチーナ・マッケンジーであることなど知る由もありませんでした。
バーニィの死にざまは、爆発したザクのコックピットから本人を確認することが出来ないほどの惨状で、連邦軍の兵士が「ミンチよりひでえよ」と称するほど。兵士の言葉を聞いたアルフレッドはただ呆然とするほかありませんでした。
実は、バーニィが命がけで戦う理由となった核を積んだジオンの戦艦は、コロニーに辿(たど)り着く前に連邦軍に撃墜されています。結果的にバーニィの死は無駄死にとなり、より視聴者のやるせなさとトラウマに拍車をかけました。