『キン肉マン』の悪魔超人の消えた「幻の7人」 後で意外な活躍?
ウォーズマンをたやすくねじ伏せたバッファローマンをはじめ、『キン肉マン』の「7人の悪魔超人」はクセモノぞろいの集団でした。しかし本当のメンバーは7人ではなく、14人だった可能性もあるのです。
中央に陣取っていた「お尻超人」はただのファン?

人気マンガ『キン肉マン』に登場した「7人の悪魔超人」は、あまりに残虐極まりないため、「超人オリンピック」への参加を禁じられた危険集団です。しかし初登場から数コマで、メンバーが次々に入れ替わる事態が発生しました。
「正規メンバー」はご存じのとおり、「バッファローマン、スプリングマン、アトランティス、ザ・魔雲天、ブラックホール、ステカセキング、ミスターカーメン」ですが、「7人の悪魔超人編」が始まった最初の2話にかけて、目まぐるしくメンバー交代が行われた結果、なんとリング上に上がっていた7人のメンバーがいつの間にか消えていたのです。彼らは一体何者だったのか、今回は幻の悪魔超人を振り返ります。
7人の「裏メンバー」のなかで、おそらく最も名が知られているのが「プリプリマン」です。上裸で、お尻のような形の顔がトレードマークのプリプリマンは、「7人の悪魔超人編」第1話でメンバーがリングに勢ぞろいしたシーンで、中央に陣取っていました。
さも重要人物かのように目立つ位置に立っていましたが、次のページでは早くも存在が抹消されています。しかもこれ以降、最終話まで彼は登場しません。見た目のインパクトと泡沫の如く消えた不思議さも相まって、ファンの間では「幻の8人目」と噂されていたほどでした。
ちなみにプリプリマンの正体については、2019年に発売された学研の図鑑『キン肉マン「超人」』で明かされています。彼は「7人の悪魔超人」に憧れていたようで、興奮のあまり勝手にリングへ上がってしまったとのことでした。
しかしプリプリマンは読者の間でカルト的な人気を集め、その影響もあってか、「Vジャンプ」で連載された『キン肉マンII世?オール超人大進撃?』で悪行超人として登場し、アニメ『キン肉マンII世』では「最凶悪行超人軍団」のメンバーとして登場しています。他にも『キン肉マン』のスペシャルスピンオフ『THE超人様』(著・石原まこちん、監修・ゆでたまご)では、主要人物に抜擢されるなど、幻のメンバーのなかでは最も優遇されていると言っても過言ではありません。
また、勝手にリングへ上がったとされる人物は、プリプリマンだけではありませんでした。屈強な上半身に、仮面が特徴的だったアーム・ストロングもまた、勝手にリングへ上がってきたひとりだったようです。彼は悪魔超人のファンというより、お調子者な性格からリングに飛び乗ったそうで、プリプリマンと同様に一瞬で出番がなくなってしまいました。
ただ読者考案(岩手県の米沢くん)の超人のため、「7人の悪魔超人編」第2話にあたる「さけたミート!!の巻」の冒頭で、見開きで説明されていた読者考案の超人紹介ページに名を連ねています(プリプリマンはいない)。後に「夢の超人タッグ編」でネプチューン・キングの弟子のひとりとして、回想で描かれていました。
なおリングに上がった理由が判明しているのは、プリプリマンとアーム・ストロングのふたりだけです。残りの5人に関しては、本当に幻のごとく消えてしまいました。