【漫画】婚活に苦しむ独身女性 勢いで参加した同窓会で、運命の針が動き出す?
絶賛婚活中の27歳吉野佳帆。合コンに参加してみてもうまくいかず、焦りを感じる日々を過ごしていた。たまたま届いた小学校の同窓会案内に勢いで参加したものの……。主人公の気持ちが丁寧に描写されたマンガ『自分らしい恋をする話』が話題となっています。作者の水谷アスさんにお話を聞きました。
疎遠になっていた幼なじみとの再会

主人公の吉野佳帆は27歳の婚活女子。今日も合コンに参加したものの、周りからの評価ばかり考え空回りし、友達の結婚や出産に憂いている日々。そんなある日、彼女のもとへ小学校の同窓会案内のメールが届く。同窓会の待ち合わせ場所へ向かう彼女だったが、心の中で眠らせていた嫌な記憶を思い出し、帰ろうとすると「佳帆!」と呼ばれて……?
水谷アスさん(@mizutanias)による創作マンガ『自分らしい恋をする話』がTwitter上で公開されました。過去と現代を織り交ぜながら主人公の気持ちを丁寧に描いた本作品には「心理描写がすごい」「胸がギュっとなった」との声が寄せられ、いいね数は1600件を超えています。
作者の水谷アスさんにお話を聞きました。
ーー今作品を描いたきっかけを教えて下さい。
自分の異性の幼なじみが急死したことがきっかけです。彼が亡くなったとき、本当に悲しくてしばらく立ち直れない日々を送っていました。そのとき、既婚者である自分が異性の友人の死でここまで喪失感を感じるなんて、実は彼に恋愛感情を抱いていたんだろうかと感じたのです。
でも、私が夫に持っている感情と亡くなった友人に持っていた感情は絶対違っていたと同時に、どちらも絶対に大切なものでした。私にとっては男女の友情と恋愛が同じレベルで存在していることはまったくおかしくないと思います。
ーー周りに支えられながら自分と向き合っていく佳帆さんの姿に考えさせられました。作品を描くなかで意識した点はどんなところでしょうか?
佳帆が「自分自身の意志」で行動したときに、少しずつ状況が好転していくことを意識しました。小さな頃から囚われていた「女らしくしなければいけない」という一番大きな根っこを大切な人と一緒に取り払えたとき、ようやく自分の気持ちに向き合えるようにという点を表現できてよかったです。
周りの人が勝手に作り出す「らしさの呪い」みたいなものに苦しんでいる人、自分の持っている”らしさの価値観”を人に押し付けてしまっている人がこのマンガから何か感じ取ってくれたらうれしいです。

ーー『自分らしい恋をする話。』に登場したキャラクターを作るうえで、こだわったポイントなどがありましたら教えてください。
性格についてはそれぞれ、実在の人を何人か思い浮かべて混ぜながら考えた点です。亡くなった友人や夫、自分自身もキャラの一部に入っています。本編には出てこないことばかりですが、佳帆と男3人はそれぞれに履歴書のようなものと年表的なものを作りました。
ーー今後描いてみたいストーリーや挑戦してみたいことはおありでしょうか?
ひとつの物語で視点を変えて多角的に読めるような話を作ってみたいです。実験的にマンガのストーリーを佳帆でないキャラの視点で書いた小説をnoteに少しずつ書いています。マンガと同じ場面が違う感覚で読めると思うので、読んでいただけたらうれしいです。
ーー水谷アスさんの作品を楽しみにしているファンの方へ、ひと言お願いします!
いつも応援ありがとうございます。私自身が作品を作るときは、不特定多数の誰かというより「ある特定の誰か」に届けることを思いながら描いています。10人が読んだとき、ひとりに深く届いてくれたら満足です。
なので、届かない人には届かないですが、もし心に届くことがあったら下手でもいいので、なにか文字にして返してほしいと思います。届いたと実感できることが、私にとっては一番うれしいことです。
(マグミクス編集部)