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放送10周年の『ウルトラマンギンガ』 ニュージェネレーションの基礎を整えた名作

『ウルトラシリーズ』の新世紀を切り開いた「ニュージェネレーション」の第一作である『ウルトラマンギンガ』が、10周年を迎えました。『ウルトラシリーズ』の新常識を作った、その秘密を紐解きます。

ニュージェネレーションの始祖となった『ウルトラマンギンガ』

「エクスプラス GARAGE TOY 大怪獣シリーズ ULTRA NEW GENERATION ウルトラマンギンガ 全高約240mm PVC製 塗装済み 完成品 フィギュア」(エクスプラス)
「エクスプラス GARAGE TOY 大怪獣シリーズ ULTRA NEW GENERATION ウルトラマンギンガ 全高約240mm PVC製 塗装済み 完成品 フィギュア」(エクスプラス)

 本日2023年7月10日は、2013年に『ウルトラマンギンガ』が放送開始された日で、放送から10周年にあたります。この『ギンガ』は、2023年の現在に至るまでウルトラシリーズの放送が続くきっかけとなった作品でした。

 今では「ニュージェネレーションヒーローズ」と呼ばれるようになった、現在放送中のウルトラシリーズの第一作となった『ギンガ』は、それまでのシリーズにはなかった設定をいくつも加えた画期的な作品です。

 その理由はいくつかありました。これまでの定番だった「地球防衛隊」が登場しない、舞台となる場所は山奥の限られた場所、ウルトラマンに変身する本作の主人公・礼堂ヒカルはまだ高校生、そのヒカルはギンガ以外のウルトラマンに変身するだけでなく、さまざまな怪獣にも変身できる……などです。

 なかでも、変身に関係する「スパークドールズ」という設定が大きな変化を生みました。

 スパークドールズはダークスパークによって、全てのウルトラマンと怪獣が人形へと変えられた姿です。このスパークドールズを使って、宇宙人だけでなく一般の人間も、ウルトラマンや怪獣に姿を変えることができました。

 この設定が与えたウルトラシリーズの大きな変革、それは変身した人間がその間、異空間のような場所にいることです。それまでのシリーズでは変身後はウルトラマンと一体化し、別々に表現されることはほとんどありません。この姿と心を別々に見せるとも言うべき演出が、ニュージェネレーションでの大きな変革となりました。

 商業的にも、このスパークドールズは大きな変革をもたらします。それまでに発売されていたウルトラ怪獣シリーズのサイズを14センチクラスに変更、価格を従来の500円、ワンコイン設定にしました。この新シリーズでは劇中と同じく左足裏に「ライブサイン」というシールが貼られ、作品中と同じように別売りの玩具で読み込ませる連動機能が装備されています。

 このスパークドールズとして、過去作からレギュラーで登場したのがウルトラマンタロウでした。タロウは単なるゲストというわけでなく、本作では未熟な主人公ヒカルの導き手役となり、時にはコメディリリーフとしての役割も担っています。そして最終回では視聴者待望の奇跡的な復活を遂げ、それまでのうっ憤を晴らすかのような活躍で作品を盛り上げました。

 タロウに限らずコメディ的な演出が多く見受けられますが、この点はそれまでのウルトラシリーズには少なかった要素でしょう。こういった演出は、少し前に放送されていた大人向けバラエティ番組『ウルトラゾーン』(2011年)の影響と考える人もいます。

【画像】劇場版で大集結!「ニュージェネレーションヒーローズ」のウルトラマンたちが並んだ圧巻の姿(3枚)

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