かつて子供たちが駆け込んだ夢の場所。「ファミコンショップ」の思い出
カセットを買う予定がなくても、お店に通い詰めたワケ

当時ファミコンのカセットは街のおもちゃ屋、電器屋、本屋などさまざまな店舗で売られていました。それだけ人気がある商品だったのです。
こうなると、ファミコン専門店が登場するのは必然でした。気づけば街のあちこちにファミコンショップが誕生し、新品の販売だけではなく、不要なカセットを買い取り、中古として安く販売するようにもなっていました。
友達から「安くカセットが手に入る店がある」と聞き、お店に行ってみた筆者は、壁にずらりと並べられたカセットの数と価格の安さに驚愕し、通い詰めるようになったのです。
中古とはいえ、子供の財布ではしょっちゅうは買えません。ではなぜ店に行っていたのかといえば、「情報収集」のためでした。
当時は今のようにインターネットでゲームのレビューや感想などが読める時代ではありません。情報源として頼りになるのは、ファミコン雑誌と友達の口コミだけ。ファミコンのカセットを買うのは、ある種の賭けでもありました。高いお金を払って、いわゆる「クソゲー」をつかまされることもたびたび。なので、仲良くなった店員さんが教えてくれるゲームの情報にはとても価値があったのです。
店員さんのなかには「これは面白い」「これはクソゲー」と、それとなく教えてくれる人がいて、顔を覚えて頼りにしていました。具体的なタイトルは出せませんが、後に「クソゲー」として有名になったゲームを買おうとした時に、やんわりと止められたのをよく覚えています。
また、ファミコンショップは個人商店が多かったので、独特のサービスを展開していることがありました。近所に中古カセットを3本持ち込むと新品のカセットに交換してもらえる店がありましたが、他の店で安いカセットを買いこんで交換していく人間が現れ、すぐにサービスを停止していました。当たり前のような気もします。
おそらく当時、筆者が知らない全国各地の店舗が、いろいろな知恵を絞っていたのでしょう。どんなサービスがあったのか、ちょっと知りたい気もします。
(早川清一朗)


