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ガンダムを上回る『ザンボット3』の戦争描写が、「23年後」にもたらした衝撃とは

放送開始から40年を迎える、富野由悠季監督の代表作『機動戦士ガンダム』。リアルな設定のロボットアニメとして、今なお衰えぬ人気を誇っています。そんな「ガンダム」を語る上で外すことができないのが、日本サンライズ(現:サンライズ)の記念すべき第1作となった富野監督のブレイク作『無敵超人ザンボット3』でした。「ガンダム」さえも上回るハードな内容だった『ザンボット3』を振り返ります。

『ザンボット3』なくして「宇宙世紀」は始まらなかった!?

『無敵超人ザンボット3』 コンプリート DVD-BOX
『無敵超人ザンボット3』 コンプリート DVD-BOX

 劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ』が全5部作として2019年11月29日(金)から公開が始まるなど、『機動戦士ガンダム』の放送開始40周年にあたる2019 年は、例年以上に「ガンダム」の生みの親・富野由悠季監督が注目を集めています。いまや世界中で人気の「ガンダム」シリーズですが、その“原型”とも呼べるのが、1977年~78年にテレビ放映された『無敵超人ザンボット3』(全23話)です。

 巨大ロボットが市街戦を繰り広げることで街が崩壊し、避難民が続出。さらには激しい戦いの中でメインキャラクターたちが次々と戦死するという、ハードな内容のSFアニメでした。『ザンボット3』での振り切った演出があったからこそ、その1年後に『機動戦士ガンダム』が誕生したといっても過言ではないでしょう。いま見直しても強烈な印象を与える『ザンボット3』の魅力を探ってみたいと思います。

 駿河湾を舞台にした『ザンボット3』の主人公は、神勝平(声:大山のぶ代)という12歳の少年です。勝平をはじめとする神ファミリーは、謎の宇宙人・ガイゾックによって母星ビアルを滅ぼされ、地球へ移住したという設定になっています。

 しかし、地球にまでガイゾックの魔の手が伸びてきたため、勝平は「ザンボエース」、従兄弟の宇宙太(声:森功至)は「ザンブル」、同じく恵子(声:松尾佳子)は「ザンベース」にそれぞれ乗り込み、巨大ロボット「ザンボット3」に合体して、ガイゾックの放つメカブーストたちと死闘を繰り広げることになるのです。

 ザンボエース、ザンブル、ザンベースの3機が連係して戦う様子は、『機動戦士ガンダム』のガンダム、ガンタンク、ガンキャノンが共闘する勇姿を彷彿させます。ザンボット3の母艦となる「キングビアル」は、「ホワイトベース」と同じように司令塔としての役割を果たしています。

【画像】今なお色あせない!「ザンボット3」と搭乗者たちの勇姿(5枚)

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