「防災週間」に読みたい漫画、『漂流教室』と『サバイバル』が教えてくれる教訓とは?
日本は近年でも地震や豪雨などさまざまな災害があいついでいます。9月1日の「防災の日」を中心に実施されている「防災週間」の機会に目を向けたいマンガ作品が、楳図かずお先生の『漂流教室』と、さいとうたかを先生の『サバイバル』です。
どちらも「巨大地震」から始まる物語

1923(大正12)年9月1日に相模湾北部を震源とする関東大震災が発生したことにちなんで1960年に制定された「防災の日」。現在でも、この日は各地で防災訓練などが行われ、9月1日を含む1週間が「防災週間」となっているのは多くの方が知るところでしょう。
記憶に新しい2011(平成23)年の東日本大震災や2004(平成16)年の新潟中越地震、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災など、巨大地震に見舞われることも少なくない我が国ですが、「いつ、何時、何が起こるか」は、科学の発展した現在でも予測が困難なのです。
このような災害が不意に起こった際に役立つマンガとして紹介したいのが、楳図かずお先生の『漂流教室』と、さいとうたかを先生の『サバイバル』です。
1972年から1974年にかけて連載された『漂流教室』と、1976年から1978年にかけて連載された『サバイバル』。どちらも小学館「週刊少年サンデー」で掲載された作品ですが、いずれも主人公が巨大地震に巻き込まれるところが物語のスタートになっています。
厳密にいえば『漂流教室』の場合、同級生が校舎に仕掛けたダイナマイトの爆発がキッカケとなり、汚染が進み、砂漠化された未来世界へタイムスリップしてしまうストーリーなのですが、水や食べ物など、人間が生きていく上で必要なものをいかに得るかが物語の1つの核となっています。
また、なぜ地球が滅びるほどの汚染が進んでしまったのかが、四足に進化した「未来人間たち」によって語られる場面には、現代にも通ずる強いメッセージが込められています。1970年代といえば、街に光化学スモッグ警報が鳴り響き、現在よりも「公害」を身近に感じた時代であることを筆者も記憶しています。