マグミクス | manga * anime * game

子供たちと縁遠くなった「古き良き遊び」 「ファミコン」登場が原因とは言い切れないワケ

1983年7月15日に発売された「ファミリーコンピュータ」は、子供たちの遊びを劇的に変化させました。ひとりでも遊べるファミコンは、豊かになり塾や習い事をするようになった子供たちにとって格好の遊び道具であり、子供たちが集まって行う「かくれんぼ」や「鬼ごっこ」、野山での遊びなどを押しのけ、「家でゲーム」という遊びの文化を定着させていきました。

「ファミコン発売前」の遊びはどんなものだった?

発売から40周年を迎えた、「ファミリーコンピュータ」(任天堂)
発売から40周年を迎えた、「ファミリーコンピュータ」(任天堂)

「か~ってうれしいはないちもんめ」
「まけ~てくやしいはないちもんめ」

 かつては子供たちが集う場所でしばしば聞こえた「花いちもんめ」の声を聞かなくなって、かなりの時間が経ちました。筆者が最後に聞いたのは、間違いなく30年以上前でしょう。

 今から40年前の1983年7月15日に発売された「ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)」は、家庭用ゲーム機として空前の大ヒット商品となり、日本人の家庭に「家でビデオゲームをする」文化を作り上げ、子供たちの生活様式を大きく変化させました。「花いちもんめ」で遊ぶ子供たちを見なくなったのは、ファミコンが生み出したゲーム文化が大きな影響を与えているのは間違いありませんが、公園で騒げなくなったことや、いわゆる「少子化」など、社会の変化という要因もありました。「ファミコンの前と後」で子供のあそびがどう変わったのかを振り返ります。

 ファミコンの登場以前にも、トランプやオセロ(リバーシ)、ボードゲームなど、家のなかで遊べるゲームはたくさんありました。特に、バンダイが発売した「お化け屋敷ゲーム」は当時大人気となり、持っている子供の家にはひっきりなしに友達が遊びに来ていたものです。

 とはいえ、子供たちは外で走り回りたがるもの。ちょっと上のお兄さんお姉さんたちからルールを教わり、かくれんぼや鬼ごっこ、影踏みや「だるまさんがころんだ」に興じた思い出をお持ちの方も多いでしょう。空き缶がひとつあればたちまち「缶蹴り」が始まり、プラスチックのバットとゴムボールがあれば三角ベース、縄跳びが1本あればみんなで一緒に飛び跳ねる……そういう時代でした。

 数十円の小銭が手元にあれば駄菓子屋に走り、お菓子を買ったりメンコやベーゴマで遊んだりしたものです。一昔前のアーケードゲームが置かれていたことも多く、『スペースインベーダー』や『パックマン』などで初めてビデオゲームに触れた方も多いのではないでしょうか。

 川があればザリガニやドジョウを捕まえたり、野原があれば虫を取る。たまに親にねだって『機動戦士ガンダム』などのプラモデルや『スーパー戦隊』シリーズの超合金を買ってもらっては大喜びし、20円のガチャガチャでスーパーカーや『キン肉マン』の消しゴムを手に入れ見せびらかす。ほかにも沢山の思い出がありますが、ファミコン前の子供の遊びは、おおむねこのようなものでした。

【画像】ファミコンカセットの他にも欲しかった? 1980年代に子供たちが憧れた玩具たち(6枚)

画像ギャラリー

1 2