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「ゲームボーイ」の危機をも救った、初代ポケモン『赤・緑』の恐ろしい完成度

1996年に産声を上げ、今も愛され続ける驚異のロングセラー『ポケットモンスター』シリーズ。最新作『ソード・シールド』発売のアナウンスで盛り上がるなか、任天堂「ゲームボーイ」向けに発売された初代『赤・緑』や2作目『金・銀』の魅力について、当時の時代背景とともに振り返ります。

同じゲームで2種類のカートリッジって、意味わかんね

1996年に『緑』とともに発売された、初代『ポケットモンスター 赤』(任天堂)
1996年に『緑』とともに発売された、初代『ポケットモンスター 赤』(任天堂)

『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ソード・シールド』の発売が2019年11月15日(金)に決定し、ファンの間で期待が高まっていますが、ゲームとしての「ポケモン」の面白さは、初代『赤・緑』と2作目『金・銀』でほぼ完成されていたといいます。ポケモン好きフリーライターの忍者増田さんが解説します。

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 今回は『ポケモン』シリーズの初期のタイトル、『赤・緑』と『金・銀』について振り返るわけですが、元祖『赤・緑』発売からもう20年以上が経過しているんですね。

「なんでカートリッジが2種類あんの?」

 1996年、記念すべき『ポケモン』の第1作目、『赤・緑』が発売されたときの衝撃は今なお鮮明です。まず、同じゲームで『赤』と『緑』の2種類のバージョンが存在することが驚きだったというか、率直に言ってワケがわかりませんでした。

 ゲーム内容は、一見オーソドックスなRPG。主人公は「ポケモン」と呼ばれる生き物を戦わせ、育成しながら、ストーリーにそって各地を渡り歩いていきます。そしてRPGとしての冒険を進行させながら、ポケモンの「収集」や「交換」という、横道にそれた要素が大いに楽しめてしまう……。

 いや、むしろそっちがゲームの本筋と言ってしまって差し支えないでしょう。各地に散らばる全種類のポケモンを収集し、ポケモン図鑑を完成させるのが、『ポケモン』というゲームの究極の目的なのです。

 登場するポケモンの種類や出現率は、『赤』と『緑』で微妙に異なっています。2種類のカートリッジが存在しているのは、周囲の友達との「ポケモン交換」を促すためだとわかったとき、「すげー、そんな手法があるのか」と唸ったのを覚えています。

 当時、通信ケーブルを使ったポケモン交換は、「ゲームボーイ」という携帯ゲーム機にばっちりハマりました。全国の子供たちの間で、「おまえアーボ持ってる? オレのニャースと交換してくんない?」みたいな会話が繰り広げられ、友達とのコミュニケーションツールとしても『ポケモン』は一役買っていました。今でこそネットを通じ、離れていてもポケモン交換ができるけれど、有線だと実際に会うことになりますからね。

【画像】懐かしすぎ! みんな熱中した初期『ポケモン』ソフト(5枚)

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