宮崎駿監督、恒例の「やめるやめる詐欺」 息子・吾朗氏が語った見解は?
2023年7月14日、宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』が公開されました。宮崎監督は、映画『風立ちぬ』が公開された2013年に引退発言をして、それを撤回しましたが、引退にまつわる発言は初めてのことではありません。過去の「引退発言」は、どのようなものだったのでしょうか。
過去に何度も「引退宣言」を繰り返した?
2023年7月14日に公開されたスタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』は、2013年公開の『風立ちぬ』以来、10年ぶりに宮崎駿氏が監督を務めた作品です。
実は宮崎監督は、前作の『風立ちぬ』が公開されて間もない2013年9月に「監督引退」を電撃表明しました。しかし2017年、鈴木敏夫プロデューサーは、宮崎監督が新作長編の準備に入ったことを明かし、事実上引退を撤回したことを示唆しました。
『風立ちぬ』後の引退表明の際、宮崎監督自身が「何度もやめると言ってきた人間ですが……」と語られたように、引退に関する発言はこのときが初めてではありませんでした。そこで、過去にあった宮崎駿監督の引退にまつわる発言についてご紹介します。
宮崎監督は、1997年10月1日に発行された「TECH WIN 10月号別冊/VIDEO DOO! vol.1」(アスキー)に収録されたインタビューのなかで、「ぼくはもう、一人の個人としてはだいたい先が見えたなという感じになってます。(中略)アニメーションだけやって『あーっ忙しい』とか『クソーッ』とか言いながら死ぬのイヤですから。だから、ちょっと道楽をさせてもらいたい」と、引退をほのめかす発言がありました。
97年といえば、映画『もののけ姫』が公開された年で、この頃からすでに「引退」についての言葉が監督の口から語られていたのです。
その後、『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』といった大ヒット作を次々生み出し、2013年の『風立ちぬ』公開後に、正式に引退会見を行いました。
こうした宮崎駿監督の過去の言動について、ネット上では「やめるやめる詐欺」と揶揄する声もありました。ただし「引退を引退したんだろ」「こういう詐欺はいい詐欺」と肯定的にとらえるファンが圧倒的に多く、何度も引退をほのめかしながらも撤回し、名作を作り上げた宮崎駿監督に対する敬意が感じられます。
そんな宮崎駿監督の引退撤回の流れについて、息子である宮崎吾朗氏は、2017年8月4日に配信された「ハフポスト 日本版」のインタビューで自身の見解を述べられています。
吾朗氏は、父・駿氏について「『作っていること』が『生きていること』っていう人だから(中略)それ以外にやることがないし、たぶん死ぬまで(作品を)作るんじゃないですかね」と語られました。
絶賛公開中の映画『君たちはどう生きるか』の後、再び宮崎駿監督の口から「引退宣言」が飛び出すかはわかりませんが、駿氏の肉親である吾朗氏の発言を信じるのであれば、今後も何らかのかたちで作品を作り続けてくれるのかもしれません。
(LUIS FIELD)