合理的だけどなんかイヤ? 悟空の「ドラゴンボールで生きかえれる」発言への賛否
『ドラゴンボール』の「魔人ブウ編」といえば、約10年半にわたる「週刊少年ジャンプ」での連載を締めくくる重要な最終章です。しかし、この編での悟空の「だいじょうぶだ ドラゴンボールで生きかえれる」という発言に対して、ネット上では今でも一部で、「それはどうかと思う」と、失望の声が上がっていました。
ドラゴンボールで生きかえれるから、死んでもOK?
『ドラゴンボール』の「魔人ブウ編」は、世界的大ヒット作品の約10年半にわたる「週刊少年ジャンプ」での連載を締めくくる最終章でした。あまりにも強い魔人ブウに対し、悟空たちもかなりの苦戦を強いられていましたが、そのなかで飛び出した悟空の「だいじょうぶだ ドラゴンボールで生きかえれる」という発言が、ネット上で今でもたまに議論になっています。
「魔人ブウ編」は、セルを倒して平和が訪れた状態から始まりました。しかし、平和の裏では「たった数年で何百という星を死の星に変える」という恐ろしい魔人ブウが復活しようとしていたのです。結局、魔導師バビディの策略により、魔人ブウは完全復活を果たします。
悟空の「問題発言?」は、神様の神殿内で魔人ブウを倒すべく、悟天とトランクスにフュージョンを教えようと鍛えている時に飛び出しました。バビディが探していたトランクスの家が「西の都」にあることを知って、トランクスが名乗り出ないと街が破壊されるという状況のなか、ブルマが「パパもママも殺されちゃうわ」と言ったのに対して、悟空はすかさず「だいじょうぶだ ドラゴンボールで生きかえれる」と返します。さらに「西の都も破壊されちゃうわ!!」と食い下がるブルマに対し、「それもふたつめの願いでもとにもどれる」と、非情ともとれる発言をしたのでした。
この悟空の発言に対して、ネット上では今でも「悟空が冷静すぎて怖いんだが……」「おいおい悟空よ、ちょっと冷酷すぎないか?」「親が死ぬかもしれないって言っている仲間にこれはないわ」といった声も上がっています。その一方で、「地球のピンチだし仕方ないでしょ」「悟空は実際に死んでいるから、死ぬことに対して何も感じないんだと思う」「悟空からしたら、あの世は割といいところだったから気にしないだけ」などの意見もありました。
また、この悟空の発言がネットでたびたび話題になるのは、「単に言い方の問題では」とも言われています。ピッコロやほかのキャラも、自分たちや地球人が一度は死んで、その後ドラゴンボールで生き返らせることを前提とした発言をしているのですが、悟空が旧知の仲のブルマに、あまりにもストレートに「ドラゴンボールで生きかえれる」と、サラっと返したことが問題なのかもしれません。息子の悟飯(実際は界王神に助けられていた)やライバルのベジータが死んだばかりなのに、その後の悟空があまりにも冷静に物事を判断していたため、「ちゃんと理知的な言動なんだけど、それゆえに異常に見える」などとも言われれているようです。
その後、物語の終盤に差しかかった際、ドラゴンボールの活用方法は復活したベジータから再び提案されることになります。破壊された地球を元に戻すことや、天下一武道会の後に死んだ極悪人を除くすべての者を生き返らせるという内容でした。
そして、それが魔人ブウを倒すきっかけになったのも事実です。もはやドラゴンボールの「蘇生」の力すらも「戦いの手段」にしないといけないほど追い詰められていたこと自体が、ある意味最終章らしい展開だったのかもしれません。『ドラゴンボール』という特殊な「死生観」の作品が生んだ、他のマンガでは聞けないセリフとして今も語り継がれています。
(マグミクス編集部)