ファミコン市場に挑み、ゲーム仲間の輪を広げてくれた「メガドライブ」との出会い
セガの家庭用ゲーム機「メガドライブ」が発売から約30年を経て、復刻ミニゲーム機として発売されます。今なお国内外のファンに愛されている「メガドライブ」ですが、同機のゲームはどのようにしてファンを獲得していったのでしょうか。
「ファミコン」の市場に風穴を…「メガドライブ」の挑戦
2019年9月19日(木)に発売が迫る「メガドライブ ミニ」は、かつて「メガドライブ」を楽しんでいたファンたちの間で大きな話題となっています。かつてメガドライブのゲームを楽しみ、「メガドライブ ミニ」も既に予約済みのライター、早川清一朗さんが当時の思い出を語ります。
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敵勢力の思考ルーチンが高速化された『アドバンスド大戦略』をやりたいと思ったことはありませんか?
筆者は今でもそう思っています。残念ながら「メガドライブ ミニ」には収録されませんが、いつかどこかでプレイできる日が来ることを祈っております。セガさんよろしくお願いします。とはいえ、今回のラインナップを見ても、余力が残っているようには思えないし、無理かなあ……。
さて、「メガドライブ ミニ」の元となった「メガドライブ(以下、メガドラ)」は、1988年10月にセガから発売されたゲームハードです。「当時から大人気だった」と言いたいところですが、正直な話、所有しているのは少々マニアックな趣味を持つ人間が多かった記憶があります。
その理由は、「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)がまだまだ現役のハードとして活躍していたことが大きいでしょう。さすがに一時の勢いは失われていたものの、メガドラ発売後の1990年に登場した、『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』『ファイナルファンタジーⅢ』といったレジェンド級のカセットの顔ぶれからも、まだまだ家庭用ゲーム機の王者として君臨していたことが分かります。
当時の筆者の記憶では、同じクラスの20人の男子中、15人以上がファミコンを持っていて、「PCエンジン」が1人か2人、メガドラは1人いるかいないかという感じだったような気がします。
筆者もお小遣いはファミコンのカセット優先で、とてもメガドラに回す余裕などありませんでした。そうこうするうちに1990年11月には「スーパーファミコン」も発売され、メガドラへの意識はますます薄れて行きました。
このままメガドラをスルーして終わるのだろう。そうぼんやりと考えていた筆者でしたが、あるゲームとの出会いから、「なんとしてもメガドラを入手しなければ!」と意識が180度変化しました。その出来事について書いてみようと思います。ああ、あの頃は若かった……。