ファミコン市場に挑み、ゲーム仲間の輪を広げてくれた「メガドライブ」との出会い
『フェリオス』と出会い、「メガドラ」の道へ

1990年前後は今とは比較にならないほど多くのゲームセンターが存在しており、若者たちが集っていました。
ある日、筆者がゲームセンター通いをしていた時に偶然出会ったのがナムコ(現:バンダイナムコエンターテイメント)の『フェリオス』というシューティングゲームです。
このゲームは主人公のアポロンを操り、囚われの女神アルテミスを救いに行く話なのですが、実はアルテミスがめっちゃエロかったのです。おまけに当時のゲームとしては珍しいボイス付きでアルテミスが「早く助けに来て……」と呼び掛けてくるのです。
ええ、そりゃハマりました。アルテミスのシーンを見るためだけにプレイしていたと言っても過言ではありません。
しかしゲームセンターでは同じゲームがいつまでも置かれているわけではありません。ある日、『フェリオス』も撤去されてしまいます。インターネットがない時代、姿を消したゲームを探すのはとても困難でした。
そんな時、『フェリオス』がメガドラに移植されていることを知りました。それからどうにかしてメガドラと移植版『フェリオス』を入手したのですが、正直に言うと、そんなにいい移植では無かった記憶があります。
しかし筆者がメガドラを入手したことにより、数少ないメガドラユーザーたちとの交流が始まり、色々なカセットを貸し借りするようになって人付き合いの輪が広がったのは思わぬ収穫でした。

『アドバンスド大戦略』や『武者アレスタ』『バーニングフォース』など、楽しく遊んだタイトルは数え切れません。メガドラは沢山の思い出をもらったハードとなりました。
日本ではファミコンやスーファミの影に隠れた感がありましたが、北米で『SEGA GENESIS』として発売されたメガドラは強烈な存在感を見せました。ブラジルでは息の長いハードとして活躍し続け、2017年には新型のメガドラが発売されています。
メガドライブはこれからも、世界各地の熱いファンたちを楽しませてくれることでしょう。
(早川清一朗)