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映画『惡の華』の井口昇監督が、一歩も譲らなかった「ブルマ合わせ」とは?【インタビュー(2)】

人気コミック『惡の華』を原作とする実写映画が2019年9月27日より公開されます。実写化にありったけの情熱を注いだのは、原作者の押見修造氏がリスペクトする鬼才・井口昇監督です。原作と脚本に忠実に撮ったという井口監督ですが、「ここだけは譲れなかった」というこだわりポイントもあったといいます。

「ブルマ」映像化のための時代考証??

『惡の華』でクラスの美少女・佐伯さんを演じる、秋田汐梨さん
『惡の華』でクラスの美少女・佐伯さんを演じる、秋田汐梨さん

 思春期の少年少女のナイーブな心情を描いたマンガ『惡の華』が実写映画化され、2019年9月27日(金)より全国公開されます。原作者の押見修造氏もリスペクトする鬼才・井口昇監督に、ファンも納得のこだわりの数々を語ってもらいました。

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——主人公である春日(伊藤健太郎)と仲村さん(玉城ティナ)に関わったばっかりに、キャラが大変貌する美少女・佐伯さんを見事に演じ切った新人・秋田汐梨さんも素晴らしいです。

井口 撮影時は15歳だったんです。15歳だと撮影は夜8時までしか参加できないので、撮影の都合でいえば年齢はもう少し上のほうがよかったんですが、オーディションで会った女の子たちの中では、秋田さんがずば抜けていました。秋田さんは清純そうな雰囲気なのに、ギャップのあるキャラを演じられるんです。彼女の芝居を観たら「この子しかいない!」とプロデューサー陣とも満場一致で決まったんです。

インタビューに応える、井口昇監督(マグミクス編集部撮影)
インタビューに応える、井口昇監督(マグミクス編集部撮影)

——美少女・佐伯さんの体操着が盗まれるところから、物語は動き出します。事件が起きる前、女子生徒たちがブルマ姿で運動しているシーンは、映画史に永久に残しておきたい名シーンですね。

井口 ありがとうございます。今回の『惡の華』は押見先生の原作に忠実に、脚本家・岡田麿里さんが書いてくれた台本にも忠実に撮っているんですが、あの体操のシーンだけは、女の子たちがハードル競技をするという設定を追加させてもらいました。カメラマンにも「ハードルを跳ぶ瞬間をこのアングルから撮って!」とわがままを通しました。ブルマのシーンには徹底して、こだわりました。この映画は、すべて“ブルマ合わせ”なんです。

——ブルマ合わせって……?

井口 ブルマって、2006年に廃止されているんです。なので『惡の華』の中学編は2006年以前という時代設定で、高校編に登場するスマホも今とは違う機種になっています。この映画はすべてブルマ合わせなんです(笑)。そのへんの時代考証はしっかりとやりました。

【画像】映画『惡の華』で井口監督がこだわった「ブルマ」のシーン(7枚)

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