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【ボードゲーム人生相談】名前をバカにされたつらい思い出。自信を取り戻すには?

過去と現在の「因果関係」を再構築するには?

吹っ切れて心機一転をはかる男性のイメージ  (C)PaylessImages/123RF
吹っ切れて心機一転をはかる男性のイメージ (C)PaylessImages/123RF

「前後即因果の誤謬」というものがあります。前に起こったこと(名前をバカにされた)と、後に起こったこと(思い通りにいかない)に本当に因果関係はあるのでしょうか。あるのならば、かつて名前でバカにされた人は皆、不幸な毎日を送っていることになってしまいます。

 一般に、幸福か不幸かには、原因がたくさんあり、ひとつの出来事が全てではありません。これまで幼少時の経験だけでなく、生きてきた積み重ねが複雑にからみ合い、今の私たちを形成しています。しかし私たちはどうしても、因果関係を単純な形でとらえて、世の中の不条理を自分に納得させているのです。

 しかしこのようなネガティブな因果関係に縛られていては、いつまでも幸せにはなれません。つらい過去も受け取り方を変えて、胸を張って生きるには、因果関係を再構築する必要があるだろうと思います。

 ひとつは、「思い通りにいかない現在の自分を、誰のせいにもしないでそのまま受け入れること」。自分に原因があれば反省し、失敗から学ぶ必要もあるでしょうが、何から何まで自己責任にするのはさすがにやりすぎです。縁がなかったとか、運が悪かっただけということも少なくないはず。「思い通りにいかなくて当たり前、うまくいったら儲けもの」ぐらいに考えておきます。

 ふたつ目は、「つらい思いをした過去の自分は否定せず、そのままにしておくこと」。「昔そういうことは確かにあったけど、今の自分にはあまり関係ない」というように、過去は過去、現在は現在と分けて因果関係の切り離しをはかります。

 代わって、ポジティブな因果関係をどんどん構築していきましょう。「お年寄りに電車の席を譲ったら、抽選に当たった」「友達に親切にしていたら、お出かけの日に晴れた」……ポジティブな因果関係は、自分の生き方に良い影響を与えるので、この際誤謬であってもかまいません。

 ここからはメタ思考です。このように論理的に分析できる自分を、自分自身で高く評価するのです。「このように考えてみると、因果関係の呪縛から解き放たれたのではないか。よく気付いた、偉いぞ自分!」というように。ネガティブな自己暗示から、ポジティブな自己暗示へ。誰が何と言おうとぶれない、確固たる自信もそうやっているうちに育っていくはずです。

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 今回は、名前をつけるゲームということで『ナンジャモンジャ』を紹介しようと思ったのですが、トラウマが甦らないように、幸運を自らに引き寄せるゲームを紹介いたします。

◆『街コロ』(グランディング)

 さまざまな街の施設を建てて、ダイスで収入を得るゲーム。どんな出目が出ても収入が得られるように広く浅く施設を揃えるか、特定の目が出たときの大きな収入を目指すか、直感とリスクマネージメントが問われます。日本のゲームで、ドイツのボードゲーム・オブ・ジ・イヤーにノミネートされました。2~4人用、7歳以上、30~40分、3600円(税別)

(小野卓也)

【画像】心機一転! 幸運を自分に引き寄せる戦略ボードゲームとは(8枚)

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