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初代『ゲッターロボ』は今見るとツッコミ要素満載? トンデモ設定が生まれた背景

1974年に放送された変形合体ロボの金字塔『ゲッターロボ』。今見ると「ありえないだろ!」というツッコミどころのある設定が満載です。

驚きのTVアニメ版の設定

敵と戦う主人公やゲッターロボが描かれた「ゲッターロボDVD.vol1.」のパッケージ(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)(C))
敵と戦う主人公やゲッターロボが描かれた「ゲッターロボDVD.vol1.」のパッケージ(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)(C))

 永井豪さんと石川賢さん率いるダイナミックプロが生み出した変形合体ロボアニメが、1974年4月に放送開始された『ゲッターロボ』です。先に放送され人気を博した『マジンガーZ』と差別化するために、3機の戦闘機メカが合体変形するアイデアを採用し、当時の子どもたちを驚かせました。

 今回はそんな画期的なコンセプトを持った『ゲッターロボ』が生まれた経緯と、突っ込みどころ満載の設定について解説します。

 まず『ゲッターロボ』が生まれた経緯です。本作は企画の段階で、作品性だけではなく、ロボット玩具の販売ありきで進行しました。『マジンガーZ』で盛り上がりを見せていたロボット玩具の売上をさらに伸ばすべく、1作品で複数のロボットが登場する作品が求められました。そこから派生し「3つの飛行機がひとつに合体し、さらに3つに変化する」というアイデアに発展します。

 東映動画(現・東映アニメーション株式会社)プロデューサーと、永井豪さんが所属するダイナミックプロから、原作者・永井豪さんの元に企画が持ち込まれていたときには、既に設定だけは決まっていました。当時『マジンガーZ』だけでなく複数の連載を抱えていた永井さんは、ダイナミックプロ所属の漫画家・石川賢さんに共同原作とロボットのデザインを託します。

 石川賢さんが「週刊少年サンデー」で1974年から連載した石川版『ゲッターロボ』は、ロボットや登場人物のデザインと名前こそ同じですが、ストーリーや設定に大きく違いがあります。テレビアニメの放送とマンガ連載が同時期なので、それぞれ独自にストーリーが展開されていったようです。

 アニメ『ゲッターロボ』が、『マジンガーZ』や石川版『ゲッターロボ』と決定的に違うのは、そもそもゲッターロボに乗り込む少年たちが、パイロットとなる必然性に乏しいことです。石川版ではゲッターロボを開発した早乙女博士によって、ゲッターロボを乗りこなせる適性がある人材として選ばれたのに対し、アニメではなんとその場しのぎで選ばれた寄せ集めメンバーなのです。

 そのメンバーとはリョウ、ハヤト、ムサシの3人。第1話「無敵!ゲッターロボ発進」で、長年練習用ゲッターロボで訓練してきた早乙女博士の長男・達人をはじめとする3人の乗組員が、恐竜帝国が送り込んだメカザウルスの攻撃により即死。その様子を見ていたリョウが、自分が通う浅間学園から連れて来たのが、ロボ操作経験のないハヤトとムサシでした。

 リョウはサッカー部のキャプテンで、ムサシは柔道部の主将、ハヤトは無所属。一応運動神経はいいとされていますが、ただそれだけです。訓練なしでいきなりゲットマシンに乗り込み、ゲッター1に合体できるとは、まさに突っ込みどころ満載です。

 そのうえ、彼らは長年訓練していたパイロットがあっさり殺されたメカザウルスの首を、ゲッタートマホークを出して見事切断し、ゲッターキックでとどめを刺すという一流ぶりを発揮しました。

【画像】ドリルは漢のロマン! 様々な形態に変形するゲッターロボを見る(4枚)

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