【漫画】娘を誘拐した犯人を諭す母 泣いて謝る声に安心するも最後のひと言で「絶望」
娘を誘拐した犯人からの電話に応じる母親。彼女はいたって冷静です。なぜなら人は誰でも分かり合えるという信念があるからです。「返してください」と冷静に説得すると……。作者の洋介犬さんにお話を聞きました。
犯人とは心が通じた、と思った次の瞬間?

娘を誘拐した犯人に諭すように語りかける母親。熱心に交渉した結果、犯人を説得することに成功します。「ごめんなさい…」と電話越しに聞こえてきた声に、心が通じたと安堵する彼女でしたが……。
洋介犬さん(@yohsuken)による創作マンガ『人を信じて心が届いた話。』がTwitter上で公開されました。いいね数は1,500を超えており、読者からは「1ページだけなのに濃いお話だ!」「ヒエ、怖い」「最後のセリフ…」などの声があがっています。
作者の洋介犬さんにお話を聞きました。
ーー洋介犬さんはホラーやダークな作品を多く描いていますが、そもそもホラーマンガを描くようになったきっかけ・理由があれば教えてください。
子供の頃から怖がりのくせにホラーが大好きで……。しかし、デビューしてしばらくはコメディ漫画家でホラーは描きませんでした。「自分なぞが描くのはおこがましい」という気持ちがあったためです。しかし、コメディ漫画家として行き詰まりを感じていたときに妻や親しい方の「最後になるかもなのだし好きなものを描くべきだ」と言われ大きく跳ね、描き始めて今に至ります。
ーー今回の作品『人を信じて心が届いた話。』を描こうと思ったきっかけは何でしょうか?
「信じる」という言葉に当時懐疑的で……。なんでもかんでも「信じる」ことで解決する風潮というか。実生活や歴史上でも「信じてしまったゆえに」大惨事になったことも多いだけに、「信じる」の危うさを描こうと思ったのが理由でした。今ではさらに経験を積んで「信じるのも悪くはない」に至っています。

ーーたくさんの感想が寄せられていますが、特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えて下さい。
常々言及していますが、僕は人に影響を与えることが作家としての第一義で。それなので「忘れられない」「トラウマになった」「人生変わった」といわれることが最大の栄誉と思っており、実際そういうお声をたくさんいただいているのがうれしい限りです。
ーー今回のように1ページや数コマでインパクトのある作品を描写する際に、特に気をつけているポイントはありますか?
見やすさ、読みやすさやあまりコマ数が多くなりすないようにというのは大前提として、「心に刺さる」箇所は伝わりやすく刺さりやすく演出することを気にかけています。短いものはどうしても「怖い絵でインパクトを出さなきゃ」と思いがちですが、ときとして絵よりもセリフの方が効果的に怖いことも少なくありません。
ーーホラーオムニバスシリーズ「イヌギキ」(1~8巻)をKindleインディーズにて発刊中です。あらすじやみどころ、洋介犬さん自身の思い入れのある作品を教えてください。
永年に渡って商業連載以外で描き貯めたものなので、ヒストリーやクロニクルめいていますが、個人的には「キケロとドルヴァン」が好きですね。愛読しているH.P.ラヴクラフトっぽいというか……さびしさをうまく出せた気がします。
ーー今後Twitter(現:X)などで発表される作品について、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
すでにホラーのみならず風刺的な作品でありがたいことに定期的なバズをいただいていますが、最近書籍化もされた「#新人漫画家と編集者」のようにマンガの細かいテクニックもアップしていければ……。あくまで商業連載の隙をぬってですが。
(マグミクス編集部)