【漫画】書籍化の誘いを受けた女性 意気込むものの「ある条件」を達成できず「ネット怖い」
6年前に描いたマンガがバズリ、書籍化のお誘いをいただいたプル子さん。しかし、そのためには2万人フォロワーがいることが必要なようで……? プル子さん自身の体験を描いたマンガがTwitter上で公開され、多くの人から共感を呼んでいます。作者のプル子さんにお話を聞きました。
書籍化は「運」が大事?
![投稿がバズったことをキッカケに書籍化のチャンスを掴むプル子さん(プル子さん提供)](https://magmix.jp/wp-content/uploads/2023/07/230704_rokunen_01-300x204.jpg)
プル子さん(@puruko)は、何気なく描いたエッセイマンガに火がつき、書籍化の声があちこちから届きました。ところが話を聞いてみると、書籍化のためにはフォロワー2万人以上いることが必須条件だったのです。
当時のフォロワー数は6000人ほどで、2万人には到底及びません。そこでプル子さんはマンガを定期的にアップして、フォロワー数を増やそうと考えます。しかし、あろうことかマンガを掲載するたびにフォロワー数は減少してしまい……?
プル子さん自身の体験をリアルに描いたマンガ『6年間フォロワー数におびえ続けた話』がTwitter(現:X)上で公開されました。赤裸々に描かれた同作品に読者からは「気持ちわかる!」「竹書房のシーンめっちゃ笑った」などのコメントが寄せられ、いいね数は2300件を超えています。
作者のプル子さんにお話を聞きました。
ーー プル子さんの漫画家デビューの経緯が作中でも描かれていたと思いますが、最初にマンガを描き始めたきっかけを教えてください。
もともと仕事や趣味でBLマンガを描いていたのですが、2017年に結婚式の準備などで改めて自分の人生を振り返ったことをきっかけに、初めてエッセイマンガを描いてみようと思いました。
また私が2.5次元の追っかけをしていた当時は今よりも世間の風当たりが厳しく「推し活してると婚期を逃す」「イケメンを追っかけるなんて理想が高いから彼氏ができない」という批判を受けることが多かったのですが、「私は推し活でこんなに救われたよ!」という世間の推し活バッシングに対して反論したい気持ちもありました。
ーー『6年間フォロワー数におびえ続けた話』はどのようにして生まれましたか?
今回書籍の出版が決まったときに、何かマンガを添えて宣伝したいなと考え、出版に至るまで悩んできたことをそのまま描いてみたらどうだろうかと思いました。
私の悩みについてただ愚痴るだけではなく、竹書房さんの「売れるマンガよりも他にはないマンガを出したい」という素晴らしいスタンスを皆さんに知ってもらったり、同じことで苦しんでいる人にフォロワー数が全てじゃないことが届いたりするといいなと思いながら描きました。
![念願の書籍化を達成した『私の鬱を治したのは2.5次元の推しゴト』(竹書房 )](https://magmix.jp/wp-content/uploads/2023/07/230704_rokunen_02.jpg)
ーー過去と現在でフォロワーさんに対しての考え方に変化はありますでしょうか?
以前は良くも悪くもフォロワーさんを気にしすぎていました。話しかけてくれた人のことをほとんど覚えていたり、フォローを外されると自分に悪い点があったのかと思って悩んだり、こちらからフォローしようと思っても、迷惑に思われるかなとか深く考えすぎて結局フォローできなかったり……。
mixi世代なため、ネットでも現実の人間関係に近い付き合いをしないといけないと思い込んでいたのかもしれません。現在は、自分のお店の前を通りすがる人たちというイメージです。ちょっと気になって立ち読みして去っていく人もいれば、ずっと通ってくれる人もいる。かなり気軽に考えられるようになりました。
ーーたくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えてください。
すべて興味深く拝見させていただいていますが、以前から見てくださった方々からおめでとう、といっていただけたのはとてもうれしかったです。印象に残ったのは作家さんの反応が多かったことです。
自分も言われた(聞いた)ことがあるという共感だったり、フォロワー数を重視する出版社に対する意見だったり、作家さん目線の意見は自分が活動していくうえでとても参考になりました。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
現在は推し活マンガの連載と育児で手一杯な状態なのですが、もう少し余裕ができたら連載で描ききれなかった話や、うちの母(60代後半)がBL好きのオタクなので50年前の推し活事情などをマンガにして発表できればいいなと思っています。
(マグミクス編集部)