【漫画】手作りワンピースに苦悩する女性 定番デザインの理由を発見し「そういうことか」
ファッションデザイナーの小柳さんは、季節に合わせた素材を使ってワンピースを作っていました。やっと完成させ着てみると、思っていた着心地とは違って……? Twitterに投稿された創作マンガが「考え方が素敵」と話題です。作者の小柳かおりさんにお話を聞きました。
「先人の知恵」ってすごい

新緑の季節、作っていたワンピ―スを完成させた小柳さんは、デザインフェスタに着用していくことにしました。通気性のいい素材を使い涼しげに作成したものの、実際に着てみると気になるところがチラホラ。そして小柳さんは、手作りのワンピースを手直しすることに……?
小柳かおりさん(@kaokaokaoriri)による創作マンガ『洋服の新しい可能性に気付いた話』がTwitter(現:X)に投稿され話題となっています。実際の写真も交えながら描かれた本作品に読者からは「自分に合った洋服が一番」「私も服作ってみたい」といった声が寄せられ、いいね数は3000件を超えました。
作者の小柳かおりさんにお話を聞きました。
ーー小柳さんがマンガを描き始めたきっかけを教えてください。
父親が漫画家だったため、物心がつくころにはマンガを描いていました。絵を描くことが当たり前で、将来は漫画家になりたいと思っていました。高校を卒業してすぐに漫画家を目指し、秋田書店からデビューしました。
ーー本作品が生まれたきっかけを教えてください。
アパレルブランド「Antique Carrie」を運営しており、2023年5月に開催されたデザインフェスタに初出展しました。そこで着ていく長袖のワンピースを製作しました。 しかし実際に着るころには夏日が続き、長袖が暑く感じられる時期になっていました。
好きなデザイン性を活かしたまま、暑い季節でも着られる洋服にしたいと考えて、袖やスカートを夏仕様にしました。 このように洋服は少しのアレンジで可変すること、そうすることで長く着用できることを知りました。
近年「サステナブル」がアパレル界の一大テーマとなっています。ひとつの洋服をアレンジしながら大切にすることを、もっと世の中に伝えたいと思いました。
最近では染め直しができたり、アップサイクルしたりと、各企業がサステナブルな服作りに取り組んでいます。 一方で、私自身が洋服づくりをするまで、消費者側として大量生産・大量消費に慣れている部分がありました。ひとつのお気に入りを長く大事にする価値観が広まったらいいなと思いました。

ーー実用性とデザインが共存したかわいらしい服だと感じました。夏ファッションを楽しむために、気を付けている点はありますでしょうか?
実用面では、夏の時期にあった通気性のよい生地を使うようにしています。また洗濯機でも洗えて、シワになりにくいという点も、今回使用したサッカー素材で実現できたと思います。
また裏地なしでも透けにくい生地を用いて、1枚でさらっと着られるのも楽でいいですよね。今回のワンピースのヨーク部分はやや透けてしまいますが、インナーとしてキャミソールを着ていれば問題ありません。
ーーたくさんの感想が寄せられていますが、特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えてください。
「可愛いお洋服、見ているだけで幸せです」 自分がデザインしたお洋服を褒められるのが一番うれしいですね。 ブランドは個性的であるほど刺さる人が限定的だと思います。逆に限定的だからこそ、ブランドの個性や価値につながっていると思います。
「どこにでもありそうな洋服」ではなく、「小柳さんが作るお洋服だから着てみたい!」と言っていただける洋服づくりを続けていきたいと思います。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
40歳を機に、服飾学校に入学してファッションを学び、洋服づくりの世界に飛び込みました。SNSで連載している「アラフォー漫画家がファッションデザイナーを目指す話」は、自分自身が洋服づくりをおこなったりブランドを立ち上げたりといった日常をつづったマンガで、名刺代わりのような作品だと思っています。
「人は何歳からでもチャレンジできる」をテーマに、これからもファッションとエッセイマンガの2軸で発信を行いたいと思っています。また洋服づくりをこれから始めたい方へもぜひお読みいただきたいです。
(マグミクス編集部)