『ワンピース』いずれ描かれる「最も巨大な戦い」とは 1話の伏線から読み解く「ラスボス」の存在
「1巻には数多くの伏線が隠されている」これは『ONE PIECE(ワンピース)』ファンのあいだでおおむね共通認識といえるでしょう。最終章突入後は、第1話のサブタイトルにまつわる考察がさらに盛り上がりを見せています。もしかしたらサブタイトルにこそ、同作における最も重要なカギが隠されているのかもしれません。
「最も巨大な戦い」の対戦相手とは
『ONE PIECE(ワンピース)』がクライマックスに向けて舵を切り始めた今、改めて第1巻を読み返してみると、さまざまな伏線が張られていたことに気付かされます。なかでも最終章突入後、ファンのあいだで注目を集めているのが、第1話のサブタイトル「ROMANCE DAWNー冒険の夜明けー」です。
実は、このサブタイトルこそ『ONE PIECE』のメインテーマであり、今後の展開を読み解くカギになるのではないか、と多くの意見が飛び交っていました。
そもそも「夜明け」という言葉は、作中にもたびたび登場します。たとえば「ホールケーキアイランド編」ではミンク族のペドロが「(麦わらの一味は)いずれ世界を“夜明け”へと導く者達だとおれは信じる!!!」と口にし、「ワノ国編」でもイヌアラシやヤマトたちが「夜明け」という言葉を使っていました。
さらに、作者の尾田栄一郎先生が『ONE PIECE』を連載する前に描いた読切マンガのタイトルは『ROMANCE DAWN』、つまり「冒険の夜明け」でした。同作は「『ONE PIECE』のプロトタイプ」とも称される作品で、物語の主人公はもちろんルフィです。
このように何度も繰り返し使われる「夜明け」という言葉は、尾田先生にとって思い入れのある単語であることは間違いないでしょう。
ところで「夜明け」とは、太陽が空に昇り夜が明けることを意味します。『ONE PIECE』における「太陽」といえば、やはり「太陽の神ニカ」が連想されるのではないでしょうか。
ニカは人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士であり、第1044話ではルフィが食べた「ゴムゴムの実」の正体が「ヒトヒトの実 幻獣種モデル:ニカ」であると判明しています。
一方で「月」を意味するワードが含まれる「ルナーリア族」もまた、「神」の通り名が付く一族です。現在の「聖地マリージョア」がある「赤い土の大陸(レッドライン)」には、かつて「神の国」があり、その「神の国」を築いて暮らしていたとされるのがルナーリア族でした。
もし『ONE PIECE』のメインテーマが「夜明け」なのであれば、尾田栄一郎先生がいずれ描くと語った『ONE PIECE』史上「最も巨大な戦い」とは、夜を意味する「月」と、夜明けを導く「太陽」が対決するという伏線なのかもしれません。
しかし、現段階では「Dの一族」側に、ラスボス候補筆頭のマーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)がいることから誰が敵で誰が味方なのか、不透明な部分が多いです。
「Dの一族」が敵対する「神」は「天竜人」という意見もありますが、ルフィたちがティーチと結託して戦う未来は、あまり想像できません。実際に描かれる『ONE PIECE』史上「最も巨大な戦い」は、どのような決戦になるのか期待が高まります。
(ハララ書房)