【もはや定番】特撮に出演する「お笑い芸人」 仮面ライダーと戦隊で役割の違いも?
テイストの変化が「お笑い芸人の起用増」に影響?

次に、仮面ライダーシリーズを見ていきましょう。『仮面ライダークウガ』(2000~2001)から『仮面ライダーディケイド』(2009)までのいわゆる「平成一期」の作品では、お笑い芸人が出演する機会は多くなかったようです。
しかし平成ライダー第11作目『仮面ライダーW』(2009~2010)以降は、なだぎ武さんを皮切りに、アンガールズの田中卓志さんや博多華丸さんなど、コメディリリーフとしてレギュラー出演するお笑い芸人が増加。芸人が各回のゲストで出演する機会も増え、中でも『仮面ライダードライブ』(2014~2015)で特に多く見られます。
『ドライブ』は主人公の上司・本願寺純役で片岡鶴太郎さんがレギュラー出演。TVシリーズにはルー大柴さんやあご勇さん、安田大サーカス、映画作品にはピースの綾部祐二さんやドランクドラゴンの塚地武雅さんといった面々がゲスト出演しています。
スーパー戦隊シリーズとの違いとしては、ブレイク中の方ではなく一定の知名度を持つ芸人が出演しているという点でしょうか。また戦隊と比べると自身のギャグをそこまで前面に押し出す場面も少なかったように思われます。
お笑い芸人の出演が増加したきっかけとして、仮面ライダーシリーズの作風の変化が考えられます。「平成一期」の作品は、全体的にシリアスな作風で連続性の強い物語が展開されていました。そのため主要人物同士の人間関係を掘り下げて描くことに重点が置かれており、『仮面ライダー電王』(2007~2008)などの作品を除くと、各回のゲストを中心に展開するエピソードは少なかったのです。
平成一期と比べると『仮面ライダーW』以降はコミカルな描写が増えたり、2話完結という明快なフォーマットの作品が増えたりと、全体的に作風が軟化します。ゲストを中心に展開するエピソードも増えていきました。各エピソードを盛り上げるために、強い存在感を持つお笑い芸人への出演オファーが増えたのだと考えられます。
特撮作品へ出演したお笑い芸人といっても、スーパー戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズでは起用理由や作中での活躍に違いがあるように見受けられます。スーパー戦隊シリーズも仮面ライダーも、共に歴史のあるシリーズで1年間にわたって放送されます。個性豊かなお笑い芸人を巧みに起用した遊び心のある趣向なども、特撮作品の見どころのひとつではないでしょうか。
(森谷秀)



