【漫画】「こんな作品があったとは」カラスの死体を目撃した高校生が「専門家」への道へ?
浅山わかびさんの『ラストカルテ』が「次にくるマンガ大賞 2023」にノミネートされ、あらためて話題となっています。あまり聞き慣れない「法獣医学」を扱うミステリーマンガです。今回はカラスの不審死にまつわる第1話を紹介します。
「記憶力」を武器に、事件の真相解明に挑む
抜群の記憶力の良さを持つ高校生・当麻健匠は、公園で多くのカラスの不審死に遭遇しました。それをきっかけに、クラスメイトの茨戸爽介や彼の姉で獣医師の茨戸雷火と深く関わるようになり、「法獣医学」という学問を知ることになります。検査や解剖を経て見えてきたカラスたちの死因とは……?
本作は、浅山わかびさん(@wakabi44)が小学館の「週刊少年サンデー」で連載中の『ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶―』の第1話です。『ラストカルテ』は、ダ・ヴィンチとニコニコが運営する「次にくるマンガ大賞 2023」のコミックス部門にノミネートされ、あらためて多くの読者から注目を集めています。
第1話はTwitter(現:X)でも公開されており「法獣医学なるものがあるんですね」「おそるべきニッチなテーマ」「こんな作品があったとは」などの感想が寄せられています。2023年5月の第1話の再投稿では、2500件を超えるいいねがつきました。「動物好きには絶対読んでほしい」という声や、ミステリー系の作品を好む読者からの高い支持も目立ちます。
作者の浅山わかびさんに、お話を聞きました。
ーー本作では「法獣医学」という一般的にはあまり馴染みの薄い学問を取り扱っています。連載の開始当初に「よく知られている題材」ではないことへの不安はありませんでしたか?
不安はありました。「よく知られていない題材」に挑戦する不安というよりも「動物の死」というものを扱うので、そちらのほうに不安要素がありました。物語としては「人の死」よりも「動物の死」のほうが読者にはストレスがあるものだと感じておりましたので。
しかし、逆にその不安があるからこそ、現在も物語づくりやキャラのセリフに慎重になれるとポジティブに考えております。
ーー専門的な内容を描くうえで、難しいと感じることや苦心している点などがあれば教えて下さい。
前述のように「動物の死」という題材なので、読者が不快になりすぎないよう心掛けています。リアルを追求しすぎて「これは読みたくない」と思われないマンガにするようにしています。
ーー第1話『カラス』に対する読者からの反応では、どのような声が印象に残っていますか? また『ラストカルテ』全体への読者からの感想ではいかがでしょうか?
第1話に対する反応は覚えていません……あまり見てなかったような気がします。どっちにしろ「最初は多くの人には受け入れられない題材だろう。これから1話ずつ真摯な姿を見せ続けるしかない」と思っていたので。5話くらいから、そこまで残っていてくれている読者の感想を見るようにしました。
『ラストカルテ』全体への読者からの感想は、できるだけ読み、ありがたく思っています。「いろいろな考えの人がいるなぁ。面白い」が素直な感想です。
ーー2023年6月には警視庁・東京都・環境省とのコラボポスターが制作されたことも話題となりました。「サンデーうぇぶり」などで描き下ろしのルポマンガが公開されていますが、あらためてこのコラボを通じて感じたことなどを教えて下さい。
主に警視庁の方たちから依頼を受けて作成しました。お会いした際に優しい方ばかりで、素直に「警察の人も人間なんだなぁ」と思いました。とても大きいコラボに参加させていただいてうれしく思います! 楽しかったですし、感謝です!
ーー本作の最新刊となる第5巻も6月に発売されました。そちらの収録内容や読者に注目してほしいポイントなどもご紹介をお願いします。
第5巻で主人公・当麻たちは大学生になりました。まだまだ動物と関わって、獣医師を目指しています!
ーー本作は「次にくるマンガ大賞2023」にもノミネートされています。ご感想やファンへのメッセージなどがあればお願いします。
ノミネートさせていただけたこと、うれしく思います。本当に読者の皆さまには感謝です! ありがとうございます!!
(マグミクス編集部)