【漫画】台風15号で停電した千葉 暑さに苦しみペットを守った、9日間の体験記
2019年9月9日に千葉を直撃した台風15号により、大規模な停電が発生しました。猫や犬たちと暮らすスガさんは、ペットと共に災害を乗り切った体験をマンガにしてTwitterに投稿。大きな反響がありました。災害への対策について、改めて考えさせられる作品です。
台風で停電の被害に! 愛するペットを守るには?
2019年9月9日、台風15号が千葉を直撃し、大規模な停電の被害をもたらしました。猫と4匹の犬と共に暮らす、スガさんの自宅も被害に遭ってしまいます。最高気温は30度を超える暑さのなか、スガさんは家族とペットを守るために奮闘しました。
体験談を描いたスガさんによるマンガがTwitterに投稿され、読者からは「貴重な体験記」「描いてくれてありがとう!」などの声があがっています。
今回のマンガについて、スガさんにお話を聞きました。
ーー今回の停電についてのマンガは、24ページというボリュームでした。作画するなかで、印象に残っていることを教えて下さい。
普段の自分の作風ではもっと細かく描き込むので、作画に関してはむしろ楽だな、という印象でした。時間をかけたリアルなタッチよりも、情報の即時性や、たくさんの人に共感していただけるよう親しみやすい絵柄で描くことを選びました。
また、停電中にたくさんのことを体験しました。それらの経験や、考えたこと感じたことをひとつでも多く、分かりやすくまとめるよう気を付けました。
ーー今回は夏場でしたが、もし真冬に災害が起こった際に備えて、なにか新たに準備されたことなどございますか?
消費したぶんの備蓄の補給や、蓄電池に電気をためることなど、今回の停電期間中に特に気になったことについては用意を済ませました。まだ、新たな対策には手が回っていないのが現状です。
冬場の災害対策については、常にカイロを数箱備蓄し、湯たんぽや毛布、保温用のアルミシートなどの用意があります。
ーー千葉で大規模な停電が発生していることについて、報道や救援がかなり遅れた印象です。スガ様はどのように感じましたか?
今回の報道や救援のありかたについて、私自身、複雑な思いを抱かなかったかと言えばうそになります。ただ、「受けられるべきものがまだ届かない」と考えるとメンタルがやられそうだなと思ったので、「しばらくないものはないとして、なんとかやれることをやっていくしかない」と考えるようにしました。
自分がこの手で実際になにができるか、実際に自分の目の前にいる人たちとどう連携し、現状をどうましにしていくか……それで得た経験や、家族や地域とのつながりは、今後の災害時代に向けて貴重な財産になったと思います。
ただ、我が家の停電は9日間ですみました。幸いなことに人的被害もなく、全員がある程度健康で、「救援を受けなければ明日も危うい」ような状態ではありませんでした。もし今と違った条件で被災していたら、また違った感想や感情を抱いていたかもしれません。
ーーたくさんの感想が寄せられていますが、特に印象に残った読者の声について教えて下さい。
「備えを見直したい」「自分もペットを飼っているので、ペットも含めた災害対策を考えたい」という声が多く聞かれました。今回の災害に際して、我が家の対策や行動が本当に正しかったのかは私には判断できません。ですが、それを踏まえたうえでこの自分の経験が、見知らぬどこかの誰かの災害対策に少しでも役立ったなら、漫画を描いて良かったなと思いました。
ーーこれまでの創作活動についてお聞きします。これまで発表された作品のなかで、ご自身が気に入っているものを教えて下さい。
現在コミティアを中心に、『満月に階段』という、数学や社会哲学をテーマにした創作シリーズマンガを発行しています。具体的には「数学界の超難問(懸賞金つき)をそこらの中学生が解いてしまったらどうなるか」という話です。
今回のレポマンガとはずいぶん毛色の違う作風ですが、私なりに特別な思いを込めて執筆しているシリーズです。
ーー猫のぼぼちちゃんのLINEスタンプがとてもかわいらしいですね!作者様からのおすすめな点を教えて下さい。
ありがとうございます!!!!! 親バカすぎて作ってしまいました。本物はもっとかわいいですけれど……。どうせならいろんな人に普段使いしていただきたくて、汎用性を意識して使いやすく作ったつもりです。あと、チャームポイントはシッポとえりまきです。
ーー今後、Twitterで発表されるマンガについては、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
私はもともと、Twitter映えするような、短くまとめられたマンガを描くのはあまり得意ではありません。今後、Twitterをプラットフォームに意識してマンガを描くことはあまりないと思います。
ただ今回の災害で「日常の大切さ」を改めて感じたので、日々のささいなことや、猫との生活などを無理のない範囲で絵日記に残してみよう、という試みを始めました。あとは気になったことや特別に描いて残しておきたい体験などがあれば、またレポという形でまとめることもあると思います。
(マグミクス編集部)