「確かにそうだ!」思わず納得させられた「悪役キャラの正論」3選
マンガから飛び出した名ゼリフは作品を盛り上げるだけでなく、SNSやネットを介して広がり、想像以上に多くの人から認知されています。そして印象的なセリフを残したキャラクターには、意外と極悪人が多いことをご存知でしょうか?
妙に納得? 印象に残った悪役キャラの名ゼリフ
名作と呼ばれるマンガのなかには、たいてい誰もが知っているような名ゼリフがあるものです。そのようなセリフは衝撃的な展開や、感動的な場面を演出する重要なポイントで、なかには悪役が残した言葉が読者に刺さるケースもありました。
残虐かつ極悪なキャラクターが発したセリフが、インターネットなどを介してミーム化されることも珍しくありません。そこで今回は、読者が思わず納得させられた、記憶に残る悪役のセリフをピックアップしてご紹介します。
●おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?
『ジョジョの奇妙な冒険』第一部「ファントムブラッド」で石仮面をかぶり、吸血鬼と化したディオ・ブランドーは、ジョナサン・ジョースターの手によって焼け落ちる屋敷とともに倒されたはずでした。
しかしディオは全身を炎に焼かれながらも生きており、回復のときを待っていました。
そして、かなり傷の癒えたディオの姿を見たウィル・A・ツェペリは「いったい何人の生命を、その傷のために吸い取った!?」と問いかけます。
それに対するディオの答えが、「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」でした。
吸血鬼が人の生命を吸うことは、人間が日常的にパンを食べるのと同義だとさりげなく伝え、思わず「それなら、覚えてないのも仕方ないか」と納得させられる秀逸な返しです。
ディオの異常性や残虐性を表現する意味でも、かなりインパクトのあるセリフでした。
●君のような勘のいいガキは嫌いだよ
これは『鋼の錬金術師』屈指の胸糞シーンで、「綴命(ていめい)の錬金術師」ショウ・タッカーが発したセリフです。あまりにも使い勝手の良い言葉なので、元ネタは知らなくても、このセリフは知っているという人も多いのではないでしょうか。
これは、タッカーが研究成果として披露した「人語を使う合成獣」の正体にいち早く気づいた、エドワード・エルリックにかけた言葉でした。
タッカーの許されざる罪を暴いたエドに対し、彼は怒りをあらわにするわけでも、非難するわけでもなく、淡々とした口調で「勘のいいガキは嫌いだよ」と語りかけます。
そのセリフが意味するものはタッカーの率直な感想でしかなく、愛娘や愛犬を材料に合成獣を作ったという状況を考えると、不気味でたまりません。また、あまりにも鮮やかに真実にたどり着いたエドに対する返しとしても的確で、彼の目線から考えると「そうだろうなぁ」と思わざるを得ない言葉でした。
●正義は勝つって!? そりゃあそうだろ 勝者だけが正義だ!!!!
このセリフは、『ONEPIECE』に登場した王下七武海のひとりであるドンキホーテ・ドフラミンゴの言葉です。
マリンフォードで行われた頂上戦争では、海軍と海賊たちが激しく争いました。作中では世界政府や海軍こそが正義とされてきましたが、それは世界政府が800年前の戦いに勝利したからにすぎません。
この戦いのなかでドフラミンゴは、「頂点に立つ者が善悪を塗り替える」とも言っており、勝敗によって立場が大きく変わるのが戦争だと示しています。まさに「勝てば官軍、負ければ賊軍」を象徴するような、誰もが納得してしまうセリフでした。
悪役たちが残した名ゼリフは、主人公サイドが語ったものとは違う魅力が感じられます。またキャッチーなセリフが多いので、元ネタを知らなくてもまねしやすいのですが、使用された背景を知っておくと、より深みが感じられるかもしれません。
(LUIS FIELD)