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『ガンダム』アムロの父のモデルは実在した? テム・レイとの「数奇な親子関係」

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では主人公・スレッタと母親・プロスペラのいびつな家族関係が明るみになりました。ですが主人公の親子関係に問題があるのは、初代ガンダムシリーズから続く伝統と言えるかもしれません。今回は、初代ガンダムの主人公アムロ・レイと父親のテム・レイの関係性についてご紹介します。

人よりもガンダムが大事? 優秀な技術士官テム・レイの人となり

『機動戦士ガンダム アムロ・レイ×ぴあ』(ぴあ)
『機動戦士ガンダム アムロ・レイ×ぴあ』(ぴあ)

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、7月2日に最終回を迎えました。同作では、主人公・スレッタと、その娘を利用していた母・プロスペラの親子関係について焦点が当てられる場面がありましたが、これまでのガンダムシリーズでも、しばしば親子の確執が描かれています。

 そこで今回は初代ガンダムの主人公アムロ・レイと、その父親テム・レイの関係性についてご紹介します。

 アムロは幼い頃から、父親のテムとふたり暮らしでした。テムは地球連邦軍の「V作戦」の中心人物でもある優秀な技術士官で、仕事の関係で宇宙での生活を余儀なくされます。

 テムは幼いアムロを連れて宇宙に行きますが、アムロの母・カマリアはそのまま地球に残りました。「宇宙の暮らしになじめない」という理由で、幼い我が子と離れて暮らすことを選んだカマリアの是非はさておき、父・テムは幼いアムロを連れて、地球を離れることになります。

 地球を発つ前、テムは「サイドの建設を見てごらん、素晴らしいものだよ」「アムロに見せておきたいんだ」と妻に語っており、その言葉からは息子のアムロに見聞を広めてもらいたいという、父親らしい意思が感じられました。

 またアニメの第1話には、ホワイトベースのテムの自室にアムロの写真が飾ってある描写があり、テムがアムロと同世代の少年たちが兵役に駆り出されている現状を嘆くシーンもあります。

 テムは、まだ10代のブライト・ノアに「ガンダムが量産されるようになれば、キミのような若者が実戦に出なくとも戦争は終わろう」と優しく語りかけており、家庭を顧みずに仕事に没頭していた理由の一端がうかがえます。

 おそらく、ひとりの技術者としてV作戦にかける想いが強かったことは想像できますが、その根底にはアムロに対する愛情、その息子を戦争に巻きこみたくないという想いがあったのは間違いないでしょう。

 しかし、サイド7がジオン軍に攻撃された際、テムが「避難民よりガンダムが先だ」と言っているのをアムロが聞いてしまい、「父さん、人間よりモビルスーツのほうが大切なんですか」と息子から責められることになります。

 テムの職務やガンダムの重要性を考えると、彼の判断があながち間違っているとも思えません。ですが、まともな状態のテム・レイとアムロの会話はこのときが最後だったので、結局アムロは父がどんな想いでガンダムを作ったのかを知ることはありませんでした。

 ただ、幼い頃から父の背中を見て育ったせいか、アムロも機械いじりが大好きで、ガンダムのマニュアルを見たときに「親父が熱中するわけだ」と納得するような言葉をつぶやいています。機械オタクのアムロなら、技術者としての父のすごさが分かるはずですし、ある意味似た者同士の一面もあったのかもしれません。

【画像】アムロの父、テム・レイのあまりにも衝撃的な最期に驚愕

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