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マンガ誌『なかよし』の65年。「恋する女の子の心」と「魔法少女魂」根付かせる

2019年10月4日より東京・弥生美術館で、「創刊65周年記念『なかよし』展」が開催されています。マンガ雑誌としては日本で最古、最長寿の「なかよし」が、少女たちに根付かせてきたものは何だったのでしょうか。

創刊当時から「オシャレな女の子」のための雑誌

筆者の別冊なかむらりょうこさん。「なかよし展」会場入口で(筆者提供)
筆者の別冊なかむらりょうこさん。「なかよし展」会場入口で(筆者提供)

 講談社「なかよし」は、日本のマンガ雑誌としても最長寿の少女マンガ誌です。その65年の歴史を多彩な原画や資料で振り返る展示会が、2019年10月4日(金)から東京・弥生美術館で開催されています。「なかよし」の歩みが少女たちに根付かせたものは何だったのか、少女マンガに詳しい別冊なかむらりょうこさん(ワタナベエンターテインメント所属)が解説します。

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 最寄り駅から閑静な住宅街を抜け、東京大学を横目に歩いていると突如現れる趣深い建物。それが「創刊65周年『なかよし展』」を開催している弥生美術館です。3階建ての建物の1・2階部分が「なかよし展」。3階では「高畠華宵と日本の少女雑誌展」。隣接しているのは竹久夢二美術館。

 主にデパートの催事場などで実施されることの多いマンガの原画展ですが、今回の一風変わった会場は、訪れる者を一気に「なかよし」の歴史にトリップさせる力を持っていました。

 1954年創刊、日本最長寿のマンガ雑誌!

 展示会では創刊65周年を記念し、1954年12月に発売された創刊号から現在連載中の作品まで、時代ごとに展示しています。

 マンガのほかに読み物も掲載して始まった最初の「なかよし」。少女スターたちが登場した当時の表紙や、手塚治虫先生の『リボンの騎士』、そして田中セツコ先生の少女絵とデザインを融合させた、今見ても斬新なイラストたちが入り口から出迎えてくれます。ハイセンスでカラフルなその原稿から、「なかよし」が当時からオシャレな女の子のための雑誌だったことがよくわかります。

 男性漫画家が主だった時代から、女性漫画家が台頭した1960年代では大和和紀先生の『青空にとびだせ!』、1970年代から人気を博した恐怖マンガ、高階良子先生の『地獄でメスがひかる』、美内すずえ先生の『妖鬼妃伝』のほか、今も続くあべゆりこ先生の『わんころべえ』を1970年代の連載当初と2000年代で比較できたりと、目が離せない展示が続きます。

 筆者が「なかよし」と出会ったのは1990年、姉の学習机の下に置かれていた雑誌をこっそり読んだときでした。

 そのとき読んだあさぎり夕先生の『ミンミン!』と、秋元奈美先生の『ミラクルガールズ』は、私のその後の人生に大きな影響を与えました。

 私は今も小さな女の子がたらふくご飯を食べる姿が大好きで、双子を見ると胸の高鳴りが止まらず「きっとふたりはテレパシーでうんちゃらかんちゃら……」と、妄想してしまう33歳なのです(なんのマンガか気になった方はぜひWeb書店へ……)。

【画像】創刊65周年記念の「なかよし展」 会場やグッズを見る(6枚)

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