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マンガ誌『なかよし』の65年。「恋する女の子の心」と「魔法少女魂」根付かせる

確固たる地位を築いた90年代、少年マンガ誌との橋渡しも

「創刊65周年記念『なかよし』展」メインビジュアル (講談社)
「創刊65周年記念『なかよし』展」メインビジュアル (講談社)

 何気ない日常に訪れる、ちょっと不思議な世界。「なかよし」から私は世界を大きく広げてもらい、「ワクワク」の感情を教えてもらいました。

 今回の展示では、昨年亡くなられたあさぎり夕先生の追悼展示が行われています。時代ごとに少女たちの憧れの舞台と、憧れの男性像を描き続けてくれたあさぎり先生の作品の数々。なかでも、ポスター型のカレンダーに使用された直筆のカラー原稿はなんと1メートル越えの超大作。私の目が間違っていなければ、1m以上の大きさの用紙に直接描かれていました。必見です。

 そして、他の少女マンガ雑誌との大きな差別化が図られた1990年代の「なかよし」は、恋のドキドキとともに、「変身」「魔法」「超能力」といったファンタジーを取り入れ、幼い私たちを魅了しました。

 映画、舞台と、今も勢いが止まらない武内直子先生の『美少女戦士セーラームーン』に始まり、アニメーションの迫力と遜色ない魅力を誌面から感じるようになったCLAMP先生の『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』、そして立川恵先生の『怪盗セイント・テール』。

 この時代をもって、ファンタジック路線の「なかよし」は確固たる地位を築き、『だぁ!だぁ!だぁ!』『シュガシュガルーン』そして、現在も続く『プリキュア』シリーズへ。私たちの細胞には、「なかよし」が65年の歴史を通じて作り上げられた「恋する女の子の心」と、「魔法少女魂」が根付いているのです。

 また、「なかよし」は、少女マンガ誌のなかでも少年マンガとの橋渡し的役目を担っており、「なかよし」作品が好きだった子が少年マンガに移行するなど、多くのマンガ好きを生み出してくれたように思います。

歴代「付録」の変遷には、日本の流通事情が反映

 今回の原画展のもうひとつの楽しみは、歴代の「付録」の展示です。時代ごとの色や材質の違いも注目ですが、そこには常に日本の流通事情が反映されていたことがわかります。物資の豊かさや材質の規制などが、付録の質と量に関係していたのです。

 組み立て付録が盛んになっていた時期や、数を競う時代。素材の豪華さを競うようになり、“本格派”の謳い文句がつけられた昨今。私の最も思い出深い付録は「美少女戦士セーラームーン マジカル星座占い盤」で、学校にコッソリ持って行って占いまくってました。ちなみに、最新の2019年11月号の付録は「キャラメルコーンそのまんまバッグ」。ひたすらそのまんまです。

 今回の「なかよし展」は、2019年10月4日から27日(日)までが「前期」、10月29日(火)から11月24日(日)までが「中期」、11月26日から12月25日(水)までが「後期」となり、それぞれ特定の原画が入れ替わります。

 一度でも何度でも。深みある建物に身を包まれ、「なかよし」の歴史と喜びを感じる時間を過ごしてはいかがでしょうか。

(別冊なかむらりょうこ)

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【画像】創刊65周年記念の「なかよし展」 会場やグッズを見る(6枚)

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