【漫画】「救おう、私を」DVに耐え続ける女子高生が「花」と出会い、ある復讐を思いつき?
美大志望の女の子は、日常的に暴力を受けている母親から「ありえない」と反対されていました。ある夜、ふと人生を終わらせようとして出会ったのは……? Twitter(X)上で投稿された創作マンガが「スカッとした」と話題です。作者のこーのちゃんさんにお話を聞きました。
生きる意味を失った少女の運命的な「出会い」
とある高校に、昼休みの時間も絵画制作に励む女の子がいました。彼女は美大志望ですが、母親からDVを受けており、女の子の夢は全否定されてしまいます。ある夜、家を抜け出し全速力で自転車を漕ぐ彼女は、事故多発地帯でトラックにそのまま突っ込もうとして……。
こーのちゃんさん(@tanakatamaka840/河野大樹さん)による創作マンガ『美術系の高校に通う女の子が、喋る花と出会って毒親に復讐する話』がTwitter(X)上で公開されました。読者からは「感情を揺さぶってくる」「主人公カッコよすぎる」といった声が寄せられています。心に直接訴えかけるストーリー展開に多くの人が釘付けになったようで、投稿へのいいね数は4000件を超えました。
作者のこーのちゃんさんにお話を聞きました。
ーーこーのちゃんさんの漫画家としてのデビューの経緯を教えてください。
商業誌で連載したくて20歳のころから持ち込みをしていたのですが、そこから2?3年ほどはデビューに至りませんでした。当時は「読み切りなんて作らずに早く連載させてくれ!」と思っていたのを覚えています。
持ち込みに心が折れたとき、「ニコニコ漫画」にて自分で連載を始めたのが『ブス界へようこそ』という作品でした。そこから次第に作品を読んでいただき、収益化もできるようになり、今に至ります。現在は有料最新話をピッコマ、無料連載分をAmazon Kindleで更新中です。
ーー『美術系の高校に通う女の子が、喋る花と出会って毒親に復讐する話』のストーリーが生まれたきっかけを教えてください。
出版社への持ち込みを繰り返しながらマンガのなかで「自分を出す、描く」というのがどうしてもできなかった20歳のころに、本作品を描きました。ただあまりにも自分の核を出しすぎて、描いた当時はおもしろいと思ってもらえない気がして、誰にも見せることがないまま6年ほど眠らせていました。
その後、Twitter(X)に初めて載せたら思っていたよりも良い反応をたくさんいただけて、こんなに読む人に届く作品だったのかと自分のなかで評価が変わった作品です。
ーー何回も読みたくなる内容で、女の子の感情の変化に心打たれました。今回の作品を描く上で工夫した点などはありますでしょうか?
当時は良くも悪くもマンガ表現にこだわりすぎていなかったので、より五感に響く描き方ができていたのかなと思います。あとは、話の展開と夜や朝方などのシーンがリンクするように、光の色の演出にこだわりました。
実際にはモノクロなのですが、読んでいる人のなかで光の色が見えるような空気感になっていたら良いなと思っています。
女の子の境遇や、彼女が住んでいる景色も、捉え方や光の当たり方が変わるだけで全然違う景色に見える、その変化の気持ちよさみたいなものが伝わっていたらうれしいです。
ーーたくさんの感想が寄せられていますが、特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について教えてください。
どんな感想でもいただけることが何より一番うれしいのですが、やっぱり「救われた」とか「うまく言葉にできないけど心に来るものがあった」「熱量がすごくてシビれました」など、おもしろかったという感想だけでなく心や体にまで響く感想を読むと、僕も救われますし、マンガや表現の世界は改めてすごいものだなと思わされます。
ーー今後、Twitter(X)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
Twitter(X)はいろんな方に作品を読んでもらえる場なので、ほかの媒体で公開した読み切り作品なども掲載期間が過ぎたものはどんどんTwitter(X)に公開していきたいと思っています。
バトルマンガ、恋愛もの、SFチックなものなど幅広く作ってみたいので、またお見かけした際は楽しんでいただけたらうれしいです。
●「タイトルにだまされた!」と話題を集める、『ブス界へようこそ』著:こーのちゃん(河野大樹)さん
(マグミクス編集部)