観客騒然!『君たちはどう生きるか』がパンフまで徹底して「ネタバレ阻止」?
2023年8月11日に発売された『君たちはどう生きるか』の劇場版パンフレットの「内容」が、多くのファンのあいだで賛否の意見を巻き起こしています。制作側の真意とはどのようなものなのでしょうか?
「中身薄すぎ?」ジブリ新作『君たちはどう生きるか』のパンフレット内容とは
2023年7月14日から公開され大ヒットしている10年ぶりの宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』の劇場版パンフレット(税込820円)が、ついに8月11日に発売されました。公開から1か月近く待たされての待望の発売でしたが、そこに収録された「内容」は賛否が分かれるものであり、買った人びとの間でさまざまな議論が交わされています。
気になるパンフレットには、まず宮崎監督が書いた「長編企画覚書」が記載されていました。そこには「こんな時代に3年がかりの映画を作るとしたらどんな形の映画が望ましいか……」「時代に迎合した映画は作ってはならない」など、宮崎監督が今の「時代」に着目していたことが記されています。
同覚書には「3年とあるが、実際には7年の歳月を要した」との情報もあり、宮崎監督の制作にかける思いがよく分かる内容となっています。
ただ、その他に記載されているのは、米津玄師さんが歌う本作の主題歌「地球儀」の歌詞、スタッフロール、作品解説という名のあらすじのみで、あとはほとんど劇中シーンのイラストばかりでした。
『君たちはどう生きるか』に参加していた声優の名前は明らかにされたものの、誰がどの役を演じていたのかは、パンフレットで明かされることはありませんでした。また、宮崎監督をはじめとする、『君たちは~』の関係者へのインタビューや対談なども掲載されておらず、非常にシンプルな内容となっていました。
パンフレットのシンプルな内容に対し、SNS上に投稿されたファンの感想には「内容が薄くてガッカリ」「普通、誰が誰を演じていたかの情報くらい載せるでしょ」「1か月待たせるなら誰か評論家の解説とか載ってると思ってたよ」など、非難する意見も見受けられました。
『君たちはどう生きるか』は、公開まで一切の情報公開や宣伝を行わないというスタイルが観客の興味を誘い、2023年8月14日時点では、興行収入は62.3億万円、観客動員数412万人を突破と、現在も大ヒット継続中です。この結果から、SNS上では否定的な意見ばかりではなく「印刷所からも情報が漏れないように、パンフレットに書く内容も必要最低限のものにしたのでは」と、事情を推察する声もありました。
また、パンフレットには多くの劇中場面が掲載されているため、「動画だと一瞬で過ぎ去ってしまうものが、パンフレットだと画像として見られるのでずっと楽しめる」「あんな場面あったなって思い出しやすい」という肯定的な声も上がっています。
スタジオジブリの公式からは、『君たちはどう生きるか』のパンフレット内容について言及されていませんが、パンフレットの内容をシンプルなものにしたのも「ネタバレを防ぐ」という姿勢を引き続き徹底したのかもしれません。
ちなみに、8月20日に発売される雑誌「SWICH」では、80ページにわたりジブリ作品の特集が掲載され、作家・池澤夏樹さんによる鈴木敏夫プロデューサーへの『君たちは~』に関するロングインタビューが掲載されることが発表されています。
(LUIS FIELD)