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【漫画】「涙が止まらない」生まれることのできなかった子供が、お盆にお母さんに会いに来たら?

18年前、お母さんのお腹から生まれることができなかった男の子は、地獄で過酷な労働をしていました。お盆になり、閻魔様から地上への一時帰省を初めて認められた男の子は、「お母さんを喜ばせてあげたい」という思いを胸に地上に降り立ち……。漫画家・岩田すず/岩田ユキさんのマンガが読者の涙を誘っています。

母親の物語に触れた「子供」の言葉が刺さる

母親のもとへ帰省できることになった男の子は…(岩田すず/岩田ユキさん提供)
母親のもとへ帰省できることになった男の子は…(岩田すず/岩田ユキさん提供)

 18年前、お母さんのお腹から生まれることができなかった男の子は、地獄で過酷な労働をしていました。地獄では毎年お盆の時期になると、閻魔様から地上に一時帰省できる者が発表されます。18年間で初めて名前を呼ばれ、3日間の帰省をすることになった男の子は、「お母さんを喜ばせてあげたい」という思いを胸に、ナスに乗って地上に降り立ち……。

 漫画家・岩田すず(旧名義・岩田ユキ)さん( @yukiiiiwata )による創作マンガ『おナスにのって』がTwitter(X)で公開されました。「親より先に死んだら天国へは行けない」という説をもとに、地獄からの水子の帰省を描いた、お盆のちょっと不思議な物語。

 読者からは「涙が止まらない」「読めてよかった」「子供を抱きしめたくなる」「みんな幸せになってほしい」「素敵なマンガをありがとう」などの声があがり、投稿には1.6万いいねの反響がありました。

 作者の岩田すず/岩田ユキさんに、お話を聞きました。

ーー岩田すず/岩田ユキさんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

 オリジナルの脚本をため込んで、でもマンガのスキルが足りず悶々としていた頃(5年前)、「東京ネームタンク」(マンガ教室)の授業で短編『おナスにのって』をネームに起こしました。クラスメイトが私の拙いネームを読んで泣いてくれたことに勇気をもらい、「絵が下手でも物語の芯は伝わる」と腹をくくることができ、原稿化しました。それが「漫画アクション」で賞をいただいたのがスタートです。

ーー『おナスにのって』のお話はどのように生まれたのでしょうか?

 幼い頃、母から聞いた「親より先に死んだら地獄に行く」説が嫌いでした。「何も悪くない子が!? 一番つらいのはその子なのに!?」納得できない。母はその説をずっと曲げてくれませんでしたが。

 年齢が上がると信じることもなくなっていき、大人になって、それはつまり「だから先に死なないでね」と言いたかった親の祈りなのか? と思えたり、自身の産めなかった子の経験から、また思いがくすぶり始めたり。地獄絵図のこの子たちに、もし心があったら何を思うのか? というところを妄想しながら、物語ができていきました。

ーー登場人物のキャラクターが素敵でした。キャラクター作りで工夫なさったこと、心がけたことなどはありますか?

 登場人物には、できるだけ恥をかいたり、みっともない感情を持ってもらうようにしています。そういうキャラには血が通って感じられて、とても惹かれます。何を宝物と感じる子なのか? 最後にその子が手にするものを目指しながら描きました。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 同じ境遇を経験した女性からのご意見は、やはりとても深く刺さります。「救われた」と言って下さる方も、逆に「つらすぎる」と胸を痛める方もいて、私自身は「つらい境遇のなかでも前を向ける主人公」が一番愛しく希望に感じ、その思いは変わらないのですが、違う考えの方も仲間はずれにせず、ともに子を想える着地点はあるのか? とグルグル考えています。

書籍『ピーチクアワビ』1、2巻が発売中(双葉社)
書籍『ピーチクアワビ』1、2巻が発売中(双葉社)

ーー岩田ユキさん名義で発表されたマンガ『ピーチクアワビ』の1、2巻が発売中です。お話のあらすじや見どころなどをご紹介いただけますか?

 思い込みの強すぎる新人映画監督が、その偏屈さから現場を干され、詰みきった果てに、ピンク映画、AVビデオの世界と出会い、「魂のドスケべ監督」を目指す、純情青春物語です。

 決して業界裏話マンガではなく、そこのリアリティは期待できません。でも、光も影も感情のリアリティは山盛りあります。ものづくりの煌めき、のたうち回る自我。生きるのが下手なあなたのために描きました。お読みいただけるとうれしいです。

ーー今後の創作活動について教えて下さい。

 体調不良で延期させていただいていた、『ピーチクアワビ』の3巻(電子書籍)を2024年に出させていただく予定です。物語はこの先が山場。ぜひお読み下さい。

 また、2024年の春に、子供向けの怪談本『ちょっと怖いけど、マヌケな幽霊たち(仮)』を静山社より発売させていただきます。

 それから、新作マンガ『アトムの散歩』を連載させていただける雑誌を探しています。ご検討いただける誌があれば幸いです。

●岩田すず/岩田ユキさんYouTube『ピーチクアワビ』2巻発売PV

●岩田すず/岩田ユキさん新作『アトムの散歩』(ネーム)

(マグミクス編集部)

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