覚悟は良いか? 『呪術廻戦』ひとつ目の山場といわれる「渋谷事変」に待ち受ける地獄
『呪術廻戦』の「渋谷事変」は、いったいなぜ地獄絵図と呼ばれるのか……。アニメ放送に先駆けて、その見どころを少しだけ見てみましょう。
渋谷事変は「覚悟」して見るべき?
『呪術廻戦』の3つある山場のひとつ目ーーかつて原作者の芥見下々先生がそう公言していた「渋谷事変」編が、2023年8月31日(木)放送のTVアニメ『呪術廻戦』で幕を開けます。
※この記事には『呪術廻戦』「渋谷事変」編の内容を含みます。核心を突く情報は避けておりますが、ネタバレにご注意ください。
「渋谷事変」といえば残酷な現実が次々に押し寄せることから、ネット上では「地獄絵図のオンパレード」などといわれているエピソードです。アニメ派の人もその衝撃に備えて、今のうちに「心の準備」をしておきましょう。
●「百鬼夜行」をはるかにしのぐ未曾有の呪術テロ
そもそも「渋谷事変」とは、作中時間2018年10月31日に起きた未曾有の呪術テロのことです。東京都渋谷区に本来一般人を巻き込まないための結界である「帳(とばり)」が降ろされ、多数の一般人が閉じ込められたことを受け、主人公の虎杖悠仁(CV:榎木淳弥)をはじめとした呪術師たちが事態の収束に務めました。
首謀者は、「最悪の呪詛師」と呼ばれる夏油傑(げとう すぐる、CV:櫻井孝宏)と、漏瑚(じょうご、CV:千葉繁)、真人(まひと、CV:島﨑信長)ら特級呪霊たちです。夏油といえば、以前にも新宿と京都のそれぞれに1000体もの呪霊を放った呪術テロ、通称「百鬼夜行」を起こしたことがあり、このエピソードは2021年12月24日に公開された『劇場版 呪術廻戦 0』で映像化されました。
「百鬼夜行」も日本中の呪術師を巻き込んだ大事件でありましたが、今回描かれる「渋谷事変」の被害規模は、その比ではありません。
放たれた呪霊の数は1000万以上にのぼり、東京23区はほとんど壊滅状態、多くの民間人が犠牲となりました。さらに応戦した呪術師の被害も甚大であり、アニメ1期からなじみのあるキャラクターも数多く脱落してしまいます。渋谷事変が「地獄」とされるゆえんのひとつは、まさにここにあるといえるでしょう。
おまけに今回は、自他ともに認める現代最強の呪術師である五条悟(CV:中村悠一)を頼ることもできません。理由はあえて割愛するとして、その絶望的な状況下で虎杖たち高専組がどのように奮闘していくか、また「百鬼夜行」後に死亡したはずの夏油が再び登場した理由なども「渋谷事変」の大きな見どころといえるでしょう。
●因縁のふたりが再戦?
また、活躍するのは虎杖たちに限った話ではありません。「渋谷事変」では、アニメ第1期でほとんど見せ場のなかった陀艮(だごん)をはじめとする特級呪霊が大活躍します。
なかでも人間を起源とする呪いから生まれた真人は、敵キャラとして圧倒的存在感を放っていました。敵キャラに徹するあまり読者からのヘイトを集めたため、ネット上では「やることなすこと殺意しか湧かないけど敵キャラとしては100点満点だった」「ここまでヘイトを集めた敵キャラは後にも先にも真人くらいだろ」などと、敵キャラとしての評価は高いようです。
真人といえば、アニメ第1期で描かれた吉野順平の一件が記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。順平は呪術高専が追っていた殺人事件の関係者で、ひょんなことから虎杖と意気投合し、仲を深めていきました。一時は順平の呪術高専入りが確定したかに思われましたが、真人の手によっていとも簡単に未来を奪われてしまうのです。目の前で友を殺されたこの日の出来事は、虎杖にとって初めて純粋な殺意を覚えた瞬間でもありました。
「渋谷事変」ではそんな因縁のふたりが再び対峙するものの、真人は順平の一件と比肩するほど、あるいはそれ以上の悲劇を引っ提げて虎杖を追い詰めていきます。その数々の悲劇に虎杖がどう立ち向かっていくのか、ぜひ目に焼き付けてください。
ストーリーとしてはつらい展開が多いものの、敵味方関係なくさまざまな見せ場がある「渋谷事変」は、まさに物語の山場にふさわしいエピソードといえるでしょう。いったいどんな地獄が待っているのか、8月31日の放送が楽しみですね。
(ハララ書房)