『ガンダム』ミライを愛した「カムラン・ブルーム」は漢の手本! 『逆襲のシャア』にも登場
『機動戦士ガンダム』第33話「コンスコン強襲」で初登場したカムラン・ブルームは、命がけでミライ・ヤシマへの愛を貫き続けた人物です。決して報われない愛のために己の意志で危険に身を晒し続けたその姿は、なよなよした外見とは裏腹に、強い心を持つ人物であることを示しているのではないでしょうか。
「なんでカムランがいる?」
ガンダムファンのなかには、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にカムラン・ブルームが登場したのを最初に見たとき、「え? これってカムランだよね?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
もともとカムランは『機動戦士ガンダム』第33話「コンスコン強襲」で初めて登場した人物です。たった2話しか登場してはいませんが、ミライ・ヤシマの元婚約者であり、印象的な言動も多く、一定の存在感を持っています。
とはいえ端役であることに変わりはないので、筆者にとっても「逆襲のシャア」での再登場はかなり意外でした。ミライに想いを寄せた男性キャラは複数いますが、そのひとりであるカムランは非戦闘員でありながら自らの愛を貫いて行動したために、強い印象を残すことになるのです。
『機動戦士ガンダム』に登場した際のカムランはサイド6で査察官を務めており、入港したホワイトベースに乗船して武器の封印を行っています。中立を保つサイド6の役人のため、ブライトからホワイトベースの修理が可能かと打診されても即座に断りを入れるなど、冷淡な態度を取っていました。いかにも役人らしい役人と言えるでしょう。
しかしホワイトベースのブリッジで、婚約者のミライ・ヤシマと再会してからは「人間」としてのカムランが一気に顔を出します。ミライの肩に手を置き、満面の笑みを浮かべる。サイド7へ移民することを知らされなかったと声を荒げる。ミライの消息を人を使って捜させるなど、言葉や態度の端々からミライのことを愛していることがわかるのです。
ミライは自分自身で捜しに来なかったことを咎めていますが、転居先を知らせずに引っ越してしまった人の居場所を探すのは現代の日本国内でもかなり大変です。宇宙規模に探索の手を広げる必要があるのなら、個人で動いてもどうしようもありません。
ましてや戦争の最中に役人が持ち場を離れるわけにはいきません。しかもミライの後を本気で追ったとしたら、ジオン軍がうようよしている地域をさまよう必要があるのですから、さすがにそれはミライが無茶を言い過ぎていると感じてしまいます。ホワイトベース隊の精神的な支柱のひとりであるミライがわがままを言う、珍しいシーンです。