『キン肉マン』終了後、ゆでたまご氏が苦悩した「ジャンプ連載作」3選「いくつ覚えてる?」
『キン肉マン』は1987年にジャンプでの連載が終了しましたが、ゆでたまご氏はその後の新連載立ち上げの苦悩を『キン肉マン』の公式サイトで語っていました。『キン肉マン』以後に発表した、ゆでたまご氏のジャンプ連載3作品をご紹介します。
『キン肉マン』以外にも魅力的な作品がいっぱい!
大ヒットマンガ『キン肉マン』の作者・ゆでたまご氏は、1979年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で始まった『キン肉マン』の連載を1987年に終了させました。その後、ゆでたまご氏は『キン肉マン』とは異なる作品を「ジャンプ」で連載しましたが、どのような作品だったか覚えていますか?
そして『キン肉マン』の公式サイトで発表されたゆでたまご氏のインタビューのなかで、当時、新連載を始める難しさを感じたことを明かしています。そこで本記事では、その苦悩の時期に「ジャンプ」で連載された3作品を振り返ります。
最初に紹介するのは『キン肉マン』が連載終了してからわずか数か月後に、「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された『ゆうれい小僧がやってきた!』です。
この作品は、双子の善行妖怪である百太郎(ももたろう)と琴太郎(きんたろう)が合体し、亜鎖亜童子(アーサアどうじ)となって悪行妖怪と戦う物語です。
当初は日本に棲息する悪行妖怪と戦っていた2人でしたが、日本を狙う西洋妖怪が登場してからは、悪行妖怪とも力を合わせて西洋妖怪と戦います。巨大な敵を前にして、かつての敵と力を合わせる姿は『キン肉マン』にも見られたゆでたまご氏お得意の展開で、アツい友情が描かれました。
全42話が描かれた本作品に対し、同作の読者がSNS上で「もっと続いて欲しかったなあ」とコメントすると、ゆでたまごの嶋田隆司氏は「また絶対描くね」と返信を送り、続編への意欲を示しました。
その『ゆうれい小僧がやってきた!』の連載を1988年に終えたゆでたまご氏は、翌年の1989年より『SCRAP三太夫』の連載を開始します。
本作品は、史上最強と呼ばれた柔術家・姿サンタローが「己の技」と「柔道着」をバケツに封印し、そのバケツが時を越えて正義のダメロボット・三太夫の頭部になって未来に蘇り、悪と戦うという物語です。
三太夫は粗大ごみを材料に作られたロボットでしたが、頭部のバケツに秘められたサンタローの奥義を駆使し、敵と戦います。
粗大ごみから生まれたダメロボットが、偉大な柔道家のボロボロの道着をまとって悪と戦う手法は、さまざまなモノから超人を生み出したゆでたまご氏ならではの発想と言えそうです。
そして『SCRAP三太夫』の連載終了後、1990年から連載を開始したのがキックボクシングを題材にした『蹴撃手マモル』です。
同作は、走り高跳びの天才選手・蹴田マモルが主人公で、マモルはタイの陸上大会に出場した際、格闘家になるために家出をした兄・イサオと再会します。
キックボクサーになっていたイサオは、マモルの前でムエタイの王者パイソンに惨敗します。そしてマモルはパイソンに挑戦状を叩きつけ、兄・イサオのかたきを討つためにムエタイの選手になることを決意するというストーリーです。
同作は、翌年の1991年に打ち切りになってしまいましたが、その1年後にK-1ブームが訪れたこともあって、早すぎる連載終了を惜しむ声がありました。ゆでたまご・嶋田氏も自身のSNSに「ゆうれい小僧と蹴撃手マモルは死ぬ前にもう一度描いてみたいです」とコメントされています。
今回紹介した3作品は、いずれも『キン肉マン』より短い期間で連載終了となってしまいました。作者のゆでたまご氏も苦悩しながら新連載に臨んだことを明かしていますが、今でも続編を楽しみにしている読者がいます。なにより作者自身が意欲的な発言をしているので、現在連載中の『キン肉マン』ともども、今後の展開に期待したいですね。
(LUIS FIELD)