アミバ様はなぜ愛されるのか 作中屈指のゲスは『北斗』人気を下支えする功労者?
2023年で連載開始から40周年を迎えた『北斗の拳』には、印象に残る悪役が数多くいます。なかには小物臭の漂うゲスな悪役でありながら、なぜかファンから愛されている存在も。そのような悪役のひとり「アミバ」について掘り下げます。
作中屈指のゲスキャラは、なぜか愛されキャラ
2023年で連載開始から40周年を迎えた『北斗の拳』は、原作に武論尊先生、作画は原哲夫先生という強力なタッグによって生み出され、大ヒットを記録した作品です。マンガだけでなくアニメ、ゲームをはじめ、マルチにメディア展開され、リアルタイム世代ではないファンからも支持されています。
そんな『北斗の拳』の大きな魅力のひとつとして、「魅力的な悪役」の存在が挙げられます。2007年には、ケンシロウの宿敵だったラオウの葬儀が現実世界で執り行われ、約3000人のファンが駆けつけたことも有名です。
その『北斗の拳』の登場キャラのなかで、いわゆる「ゲスな悪役」ながら、なぜか愛され続けているキャラのひとりが「アミバ」です。サウザーやラオウとは比べものにならない小物にもかかわらず、スピンオフ作品が作られるほどの存在感を示したアミバについて深掘りしてみましょう。
アミバには「おれは天才だ!!」という、有名なセリフがあります。ケンシロウの義兄であるトキになりすまし、残酷な人体実験を繰り返していたアミバが自画自賛するときに使った言葉ですが、これはあながち大言壮語ともいえない部分がありました。
もともと南斗聖拳を学んでいたアミバは、独学で北斗神拳を身につけることに成功しています。付け焼き刃ではありましたが、その技を見たケンシロウに本物のトキだと思いこませたのは、紛れもない事実です。