『ワンピ』「仲間だけど気に食わない」サンジとゾロの仲が悪くなったきっかけとは
いつもケンカばかりしているゾロとサンジは、一体いつから仲が悪いのでしょうか。きっかけとともにふたりの関係性を探ります。
仲間だけど気に食わない 不思議な関係性のふたり
『ONE PIECE(ワンピース)』では、麦わらの一味の剣士であるロロノア・ゾロと、同じく麦わらの一味の料理人であるサンジが、ことあるごとにケンカや勝負を繰り広げています。仲がこじれてしまったきっかけとともに、ふたりの関係性を見てみましょう。
ゾロとサンジが最初に言い争ったのは、「アーロンパーク編」が描かれる第9巻76話です。「ナミがウソップを殺した」と聞いてもなお、ナミを信頼し続けるルフィに対して、ナミが反発したシーンでのことでした。
それまでとは一転して冷酷な態度のナミをもろともせず、サンジが「おれだよ憶えてる!? 一緒に航海しようぜ!!」とはしゃいだ様子で声をかけます。そんなサンジに対して、ゾロが「話がややこしくなるだろうが!!」と怒鳴るところから、ふたりの関係性に暗雲が立ち込め始めました。
ウソップの安否について「海の底に沈んだ」と平然と言い放つナミにゾロは「いい加減にしろ!!!」と怒ります。それに対して、サンジはナミをかばうだけでなく、ゾロに「屈辱の敗戦の後とあっちゃイラつきもするか」とミホークに負けたことへの皮肉を効かせ、ふたりの間に一触即発の雰囲気がただよいました。
その後も、「リトルガーテン」でより大きい獲物を仕留められるかを競う「狩り勝負」をしたり、懸賞金額が更新されるたびに張り合ったりと、まるで子どものような小競り合いを繰り返しています。
第73巻に収録された質問コーナー「SBS」では、読者から「ゾロがサンジの名前を一度も読んでいない」という事実が指摘され、作者の尾田栄一郎先生は「確かにゾロが『サンジ』と呼ぶ事は想像できないですね」と述べています。
しかし、普段はお互いを「てめェ」と呼ぶ事が多いふたりにも、心の底ではお互いの強さや実力を認め合っている様子が見受けられました。
第33巻の、仲間を賭けて戦うゲーム「デービーバックファイト」に出場したふたりが、2対2のチーム戦を強いられてしまいます。いつものように張り合い、一度は窮地に追い込まれたものの、ゾロが「おいコック、10秒手ェかせ」とサンジに持ちかけ、見事な連携プレーで勝利を収めました。
さらに「ワノ国」では、ジェルマの科学を使用した「レイドスーツ」を着たことで、サンジのなかにもともと眠っていた「科学の力」が目覚めます。自分が冷酷無比な、感情を持たない兄弟たちのようになってしまうことを危惧したサンジは通信器具「電伝虫」を通じて、ゾロに「決着のあと……もしおれが”正気”でなかったら、お前がおれを殺せ」と頼みました。それを聞いたゾロが、事情を知らないながらも「だったらてめェ、それまで死ぬなよ」と熱い言葉をかける様子から、ふたりの確かな信頼が垣間見えました。
ゾロとサンジの仲が悪くなった原因として、些細な対抗意識や性格の不一致が挙げられるでしょう。また、ゾロとサンジは同い年(ともに21歳)ということもあり、お互いが引くに引けなくなった結果、現在にいたるのかもしれません。
先述の第73巻「SBS」で尾田先生は、ゾロとサンジの関係について「ルフィにとっても大切な両翼を担うふたり。みんなで見守っていきましょう」と述べています。今後のエピソードでふたりの関係性に変化が訪れるのか、期待が高まります。
(LUIS FIELD)