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ケンシロウは「あたた!」の次に何と言ってた? 声優・神谷明の独特エピソード

『北斗の拳』は、2023年で、連載開始から40周年を迎えます。1984年にアニメ化されると、人気はさらに拍車がかかりました。本作品の主人公・ケンシロウが「あたたたた!」という掛け声は、当時子供たちがよく真似したのではないでしょうか。実は、この有名な掛け声には、声優の神谷明さんの意外なエピソードがありました。

ケンシロウは「あたたたた!〇〇!」と言っている?

アニメ「北斗の拳 25周年記念 DVD-BOX TVシリーズHDリマスターエディション」(エイベックス・エンタテインメント)
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 1983年から1988年に「週刊少年ジャンプ」で連載されていたマンガ『北斗の拳』は、今年・2023年に40周年を迎え、新作アニメの制作も発表されています。同作1984年にアニメ化されると瞬く間に人気を呼び、今でもファンから愛される作品になりました。

 主人公・ケンシロウが「北斗神拳」を繰り出す際の「あたたたた!」という掛け声は、当時子供たちがよく真似したのではないでしょうか。実は、この有名な掛け声には、意外なエピソードがあったのです。

 強敵やザコなどを相手にする際、「あたぁ!」「あとおぅ!」「はだぁあ!」などの掛け声で北斗神拳を使うケンシロウは、さらに敵への攻撃を畳み掛ける時には「あたたたた!」と掛け声を出すのですが、このあと耳を澄ましてよく聞いてみると「終わった」と言っています。

 具体的なエピソードを挙げると、本作品のアニメ第42話「明日なき世紀末!ケンおまえを待っていた!!」でのことです。拳王親衛隊のひとり・ザルカが、ケンシロウに手裏剣で不意打ちをしますが失敗に終わります。次に、刀を使って首長処刑刀術で襲い掛かりますが、「あたたたた!」とケンシロウのパンチがザルカに連続で炸裂しました。そして、最後にケンシロウはキックを浴びせるのですが、この際に「終わったー!」と言っているように聞こえるのです。

 また、アニメ第62話では、ケンシロウは南斗聖拳のひとりであるサウザーと戦います。相手に先手を取られたケンシロウでしたが、サウザーの極星十字拳を交わして攻撃に転じました。それからケンシロウは、秘孔・人中極を突くために拳の連打を浴びせながら「あたたたた!」と叫ぶのですが、その場面では最後にハッキリと「終わったー!」と言っているのが分かります。

 一瞬、聞き違いではないかと耳を疑ってしまうワンシーンです。しかし、なんと驚くことに、当時ケンシロウの声を担当していた声優の神谷明さん本人が、実際に「終わった」と言っていることをTV番組『トリビアの泉』で認めています。その理由としては、ケンシロウの声が過酷で、アフレコ収録のたびに、かなりの肉体的疲労があったことがあげられます。

 普段のケンシロウは、低いトーンで会話をしますが、北斗神拳を使う際は、甲高い掛け声を出し続けなければいけませんでした。そのため、神谷さんは喉に負担がかかり、過酷だったと同番組のインタビューで語っています。

 そこで、アフレコ収録にて神谷さんが、アドリブで「あたたたた、おあたぁ!」と、あえて最後に「終わった」と言葉を濁して入れてみたところ、そのアドリブに誰も気づくことはありませんでした。

 それ以降、神谷さんは収録が終わりに近づいた頃には「あたたたた、終わったー!」とアフレコをしていたようです。最後に「終わった」と入れることにより、その日の収録を締めていました。また、神谷さんは「終わった」というセリフには「本当に今日も良く頑張った。よしこれで終わった」という意味も込めていると同番組で語っています。

 神谷さんは、『北斗の拳』のアフレコ収録は「それくらいの遊びがないと、とてもやっていけない」現場だったともコメントしていました。「あたたたた!終わったー!」という掛け声は、神谷さんのとてつもない苦労が生んだエピソードだったようです。

(LUIS FIELD)

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