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絆は感じるけど 『ウルトラマン』のハヤタとフジ隊員に「恋愛」はあった?

ウルトラシリーズの作品に欠かせないのは、魅力的なヒロインの存在です。さて、初代『ウルトラマン』のフジ・アキコ隊員とハヤタとの間には、「恋愛」はあったのでしょうか?

アンヌとダンの恋愛はあったけど、ハヤタとフジ隊員は?

初代『ウルトラマン』キービジュアル (C)円谷プロ
初代『ウルトラマン』キービジュアル (C)円谷プロ

 ウルトラシリーズにおいて、ヒロインの存在はとっても重要なものです。正体を隠して戦う主人公と、それに薄々気付きながらも、「同僚」や「友人」として仲を深めていく「ウルトラヒロイン」たちは、多くの少年たちにとって憧れの存在でした。

 なかでも『ウルトラセブン』のモロボシ・ダン(演:森次晃嗣)と、アンヌ隊員(演:ひし美ゆり子)の静かな恋愛模様は有名です。やや大人の雰囲気漂う『セブン』の物語を、一層引き立ててくれました。

 ではその前作『ウルトラマン』に登場するハヤタ隊員(演:黒部進)とヒロインであるフジ・アキコ隊員(演:桜井浩子)の関係は、どのように描かれていたのでしょうか。ダンとアンヌのような、恋仲に発展するような描写はあったのでしょうか。かつて桜井浩子さんは「Billboard JAPAN」での飯島敏宏監督との対談で「私は恋愛映画の主人公に憧れて女優になった」と語っていましたが、その願いは成就されていたのでしょうか。改めて劇中描写を中心に、「恋愛」を読み解いていきましょう。

 結論から先に言えば……ハヤタ隊員とフジ隊員の間に「恋愛」があった、と劇中から汲み取ることは難しいかもしれません。

 もちろん、それを匂わせる描写はあります。例えば第1話「ウルトラ作戦第一号」において、フジ隊員は行方不明になったハヤタ隊員の安否を気にして、机に突っ伏すほどに落ち込みます。ラブコメ脳で見れば「ハヤタ隊員に気がある」と解釈することも不可能ではないですが、直後に通常業務に戻るなどかなりさっぱりしていました。

 また22話「地上破壊工作」で、パリ本部から派遣されてきたアンヌ隊員(ややこしいですが『セブン』のとは別人)と特別任務のため日本を離れる際も、とくに寂しそうな顔をするわけもなく見送るのです。

 さらに言えばフジ隊員との積極的な交流が描かれるのは、イデ隊員(演:二瓶正也)でした。なにせ14話「真珠貝防衛指令」では、給料日にわざわざイデ隊員とふたりで銀座へとショッピングに出かけるのです。ふたりの会話も「(真珠を眺めるフジ隊員をみて)フジくんにもこんな心があったとは知らなかったよ」「失礼ね。私も女。」と、ラブコメのような会話です。あまつさえエンディングでも、再びふたりしてショッピングに洒落込むシーンが挿入されました。

 もし「恋仲」解釈をするとなれば、明らかにこちらの組み合わせでしょう。とはいえその後、フジ隊員とイデ隊員の関係がその後、進展したような描写もありません。やはりさっぱりしているのが、『ウルトラマン』です。

『ウルトラマン』においては、主人公ハヤタとヒロイン・フジ隊員は恋愛を介さず、それぞれに魅力を放っていたことが分かります。そしてだからこそ次回作『ウルトラセブン』でのダンとアンヌの恋愛ドラマが少年少女たちの記憶に強く残った、と言えるかもしれません。

(片野)

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