ファンもびっくり? 実写版『ワンピ』に盛り込まれたマニアックな小ネタ
2023年8月31日からNetflixで配信開始された実写版『ONE PIECE(ワンピース)』には、ファンも覚えているかわからないマニアックな小ネタが散りばめられています。Mr.7、シクシス島、神谷浩史さん演じる海賊Aなどなど……。どれだけ記憶に残っていますか?
ゾロ初登場シーンに隠された小ネタ
2023年8月31日に配信が始まって以来、世界中で絶賛の声が飛び交っているNetflixの実写ドラマ版『ONE PIECE(ワンピース)』には、原作者の尾田栄一郎先生がエグゼクティブ・プロデューサーとして制作に携わっていることもあって、マニアックな小ネタがたくさん盛り込まれていました。
たとえばネット上で話題になっていたのが、第1話でロロノア・ゾロ(演:新田真剣佑)と対峙していた、秘密結社「B・W(バロックワークス)」の構成員・Mr.7です。ゾロの類いまれな腕に興味を持ち、バロックワークスに勧誘しようと3日間もつけ回すものの、あえなく返り討ちにあっていました。
このMr.7(ミス・ファーザーズデイのパートナーのMr.7とは別人)は原作未登場のキャラクターです。正確にはMr.1(ダズ・ボーネス)の口から「数年前『東の海(イーストブルー)』でB・W社への勧誘をけり 当時のMr.7を斬った……」と存在だけは語られていましたが、姿形やゾロとの戦闘シーンなどは描かれていません。そして、今回の実写版にて、原作で描かれなかった一連の出来事が映像化されたのです。
またコミックス36巻のSBS(質問コーナー)では、「ゾロをバロックワークスにスカウトしようとした当時のMr.7ってどんな奴だったんですか?」という読者からの質問に応えて、尾田先生が先代Mr.7の簡易イラストを公開していました。そこには顔に「7」のペイントが入ったトゲトゲ頭のキャラクターが描かれており、実写版に登場したMr.7とビジュアルがそっくりです。実写化にあたって、そのイラストを参考にしたのは間違いないでしょう。
さらにMr.7がゾロと対峙した「シクシス島」は、小説『ONE PIECE novel A 1 スペード海賊団結成篇』(著・ひなたしょう)に登場した無人島です。同作は「スペード海賊団」結成からエースの半生を記したノベライズであり、シクシス島はクルー第一号となるマスクド・デュースとエースが出会った場所でした。
他にも吹き替え声優にまつわる小ネタがあります。声優の神谷浩史さんは今やトラファルガー・ロー役としておなじみですが、アニメ第1話ではアルビダの手下である海賊Aを演じていました。
じつは実写版の第1話でも同じくアルビダの手下として海賊Aを演じており、これに気づいたファンからは「まさか海賊Aが神谷浩史ボイスなところまで再現するとは……。どんだけガチな人たちで作ったんだと戦慄した」「アニメへのリスペクトと愛を感じる」「『アルビダ様でぇす!』の声に思わず耳が反応した」などの反響が相次いでいました。ちなみに神谷さんはアニメ1000話でも海賊Aを担当しており、『ONE PIECE』の節目において欠かせない存在となっているようです。
その他、数ある小ネタのなかでも、海賊王ゴール・D・ロジャーの処刑シーンに仕込まれた小ネタは最も分かりやすかったかもしれません。そこでは、若き日のシャンクスやジュラキュール・ミホーク、モンキー・D・ドラゴンといった後の大物たちが処刑を眺めていました。
この処刑シーンは映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の来場特典として配布された『ONE PIECE』0巻に描かれていた場面で、アニメ第970話で映像化もされています。ファンにとっても思わず「おぉ!」となる感慨深いシーンだったでしょう。
さらにわずかに映る手配書でも、今後の展開を期待させます。劇中で確認できるだけでも、ベラミー、フォクシー、キャベンディッシュの手配書が登場しました。特にキャベンディッシュは、「ドレスローザ編」で登場した海賊です。実写版は続編制作が決定していますが、「ドレスローザ編」まで制作するならかなり時間がかかると思われます。それでもいつか実写版キャベンディッシュを見たいものです。
マニアックな小ネタからは、制作スタッフのこだわりと『ONE PIECE』愛がひしひしと伝わってきます。他にもどのような小ネタが詰め込まれているのか、ぜひ目を凝らして探してみてはいかがでしょうか。
(ハララ書房)