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まさか「死ぬ」とは 思いがけない退場で読者をザワつかせた古参人気キャラたち

マンガに登場するキャラクターの死亡シーンは、良い意味でも悪い意味でも記憶に残りやすいものです。思い入れが深ければ深いほど、その衝撃は大きくなることでしょう。今回はそのなかでも、特に印象的な最期を見せた人気キャラクターに注目しました。

人気キャラの死には意外なドラマが!

第3部時点でピクルに片足を食われた烈海王は、次の4部で……。烈海王が表紙の『範馬刃牙 新装版』18巻(秋田書店)
第3部時点でピクルに片足を食われた烈海王は、次の4部で……。烈海王が表紙の『範馬刃牙 新装版』18巻(秋田書店)

 マンガ作品において、物語の途中で退場する死亡キャラクターたちは、「えっ、ここで死んじゃうの!?」と読者をザワつかせてきました。特に読者が驚いた、初期から活躍していたのにまさかのタイミングで死んだ代表的なキャラクターを振り返ります。

●『NARUTO-ナルト-』日向ネジ

 日向ネジは日向一族の分家に生まれた忍者で、類まれな才能を誇ることから一族始まって以来の「天才」と称されていました。当初は主人公のうずまきナルトや宗家の生まれである日向ヒナタを疎ましく思っていましたが、わだかまりが解けた後は人間的に丸くなり、ナルトにとっても良き戦友となります。

 ところが物語終盤の「第四次忍界大戦」編にて、十尾の攻撃によりネジは命を落としてしまうのです。しかもかつて因縁のあったナルトとヒナタをかばっての結末であり、なおかつ死してようやく自身が背負わされてきた分家の呪印から解き放たれるという衝撃の展開でした。第一部の「中忍選抜試験」編から登場する古参キャラだったこともあって、当時多くの読者が衝撃を受けたようです。

 そんな壮絶な最期を迎えたネジについて、2014年12月に放送された『漫道コバヤシ』(フジテレビONE)では、作者の岸本斉史先生が驚きの背景を明らかにしています。実は先生の頭にはナルトとヒナタが結ばれる構想があったらしく、ふたりが近づくきっかけとしてネジの退場を決めたのだそうです。つまり彼は「恋のキューピッド」として役割を全うしたわけですが、その不条理な死に納得できていない人も多くいることでしょう。

●『刃牙道』烈海王

 烈海王(れつかいおう)は、『刃牙』シリーズ第1作目『グラップラー刃牙』から登場していた中国拳法の達人です。最初は中国拳法への誇りを持ちすぎて高慢な人物に見えていましたが、段々と何ごとにも真っすぐな性格で、自分に非があると思えば素直に謝罪する誠実さも持ちあわせた、作中屈指の好人物として描かれるようになり、人気を集めていました。おまけに料理も得意で、毒で痩せ細った範馬刃牙の身体を回復させるべく中華料理をふるまったこともあり、刃牙から「アンタさ、ほんっ……と優しいのな」と言われた際には思わず顔を真っ赤にしており、かわいい名場面として人気です。

 ファンのあいだでは「ヒロイン」との呼び声も高く、シリーズ屈指の愛されキャラとして親しまれてきたものの、烈は第4作目となる『刃牙道』で、現代に蘇った宮本武蔵のクローンとの戦いの果てに死亡してしまいます。とはいえ同作ではクローン技術により宮本武蔵が蘇ったため、烈のことも「あとで生き返る」と思っていた読者も多かったようです。しかし、現時点まで烈が生き返ることはなく、その右腕は5作目『バキ道』にて、盟友・愚地克巳に移植されました。

 ただ、その人気の高さゆえに、のちにスピンオフ作品『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』(作:陸井栄史)が「月刊少年チャンピオン」で連載開始され、命を落としてから主人公へ成り上がるという高待遇を受けています。

 史上最強の剣豪・宮本武蔵相手に最期まで拳法家として立ち向かった烈は、武蔵から「惚れてしまった」「(強さでは)関ヶ原(の合戦)級」と大賛辞を贈られており、読者からも「郭海皇が長年の修業で身に付けた消力(シャオリー)を短期間で習得して、武蔵相手にも有効打としてさく裂させるとは、最後まで天才だった」「斬られても『次』に活かせるって考えながら死んでいくのかっこよすぎ」などと、その強さと死に様を讃えられています。

【画像】顔怖すぎ&強そう過ぎ!烈海王をぶった斬った「板垣恵介版の宮本武蔵」の形相を見る

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