アムロがいなければ勝てなかった? 『機動戦士ガンダム』の「エルメス」が強すぎて連邦は打つ手なし
『機動戦士ガンダム』で初めてサイコミュ兵器の恐ろしさを見せつけた、ジオン軍の「エルメス」は、のちの機体にもその技術が受け継がれる画期的な機体でした。アムロとの戦闘やシャアの介入という複雑な戦局が生まれなければ、長きにわたって連邦軍を圧倒し続けたかもしれません。
たった1機で連邦軍の艦艇を圧倒

『機動戦士ガンダム』に登場したジオン軍のモビルアーマー(MA)、「MAN-08 エルメス」は、のちの機体に技術が受け継がれるほど高い評価を集め、初期の戦闘では連邦軍を苦しめました。ファンの間では「アムロがいなかったら無敵だったかも」との声もあがっています。
エルメスはジオン公国軍のニュータイプ研究機関であるフラナガン機関によって開発された高性能MAで、パイロットの精神感応波でマシンをコントロールするサイコミュ機構を備え、遠隔操作で相手を攻撃する無人攻撃兵器「ビット」を操る戦法が大きな特徴です。
ガンダムシリーズにおいてサイコミュ兵器を実戦投入したエルメスの存在は革命的でした。戦闘宙域に複数のビットを放ち、相手の予期せぬ方向からの攻撃で地球防衛軍の艦艇を次々と沈めていきました。
エルメスに搭乗するパイロットであるララァ・スンは、極めて高度なニュータイプ能力に恵まれた少女で、「ソロモンの亡霊」と恐れられるほどの戦果をあげています。
しかし、同じくニュータイプ能力を開花させたアムロ・レイとの二度目の対戦では、アムロとララァが精神の共鳴を起こし、そこへララァを寵愛するシャア・アズナブルが介入したことで戦局が複雑化します。そして、シャアを守るためにガンダムのビームサーベルに貫かれ、ララァは戦死してしまいます(このことが、シャアとアムロの間にずっと残り続ける因縁の始まりとなりました)。
エルメスの敗因は複雑です。主力のビットをアムロに無力化されてメガ粒子砲のみで戦わざるを得ない状況となり、さらにアムロへの対抗心からシャアが戦闘に割り込みますが、このときのシャアはアムロに対して劣勢で、ララァは「シャアを守ること」を第一に行動していました。もしこのような複雑な状況が生まれなかったとしたら、エルメスの攻撃力は連邦軍に対していかんなく発揮され続けたと考えられます。
ネット上では「エルメスを倒せる戦力が連邦軍でアムロ以外にいるとは思えない」「ララァのパイロット技術がもっと高かったらアムロでもやばかった」という声もありました。
エルメスが恐れられた要因のひとつとして、ジオン側でいち早くサイコミュの開発と実用兵器が完成したという情勢もありました。エルメスに搭載されたサイコミュシステムは一年戦争終結後に大きく広まり、進化していきます。のちのガンダム作品でも、サイコミュを搭載したニュータイプ専用機体が各勢力から登場し、圧倒的な性能を発揮しています。
(マグミクス編集部)