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ガンダム主人公を誕生させてしまった「やらかしキャラ」たち 予想外のミスが歴史を変えた?

ガンダム作品では、戦渦に巻き込まれてガンダムに乗り込むことになった主人公が複数搭乗します。きっかけとなったのは、思わぬ形で主人公の前に現れた敵キャラでした。

宇宙世紀の歴史を大きく動かした「やらかし」

主人公のアムロと「RX-78-2ガンダム」が描かれる、劇場版『機動戦士ガンダムI』ポスタービジュアル
主人公のアムロと「RX-78-2ガンダム」が描かれる、劇場版『機動戦士ガンダムI』ポスタービジュアル

 ガンダムシリーズでは、「民間人だった少年が戦渦に巻き込まれて戦いに身を投じる」という展開が定番のパターンです。そうした展開のきっかけとなった人物を見ていくと、それぞれ異なった事情が見えてきました。

『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」がガンダムに乗ることになったきっかけは、彼が住んでいたスペースコロニー「サイド7」がジオン公国軍のザクに襲撃されたからです。このザクの襲撃はジオンの計画した作戦ではなく、本来は偵察任務だったのに功を焦ったひとりの兵士の独断によるものでした。その兵士が「ジーン」です。

 ジーンはデニム曹長の指揮の下、スレンダーと3人でサイド7に侵入し、地球連邦軍の極秘計画である「V作戦」の詳細なデータを、指揮官であるシャア・アズナブル少佐に報告することが本来の任務でした。

 しかし、ジーンはこの命令を無視し、勝手にザクで戦闘をはじめてしまいました。この時のセリフから察するに、手柄さえ立てれば出世できるという短絡思考からの行動だったことがわかります。

 もっとも、この戦闘がきっかけでV作戦は壊滅的なダメージを受けるのですから、その行動が間違っているとは一概に言えません。あえて言うなら、後にニュータイプに覚醒することになるアムロが「ガンダムに乗り込む」という偶然を生んだことが、ジーン最大の失策だったと言えるでしょう。

 ここでアムロがガンダムのパイロットになることで、状況は大きく動きました。それは後に「一年戦争」と呼ばれる戦争の終結にアムロが大きく貢献するからです。さらに言えば、このアムロの参戦で宇宙世紀の歴史に大きな影響を与えたシャアの、その後の人生も大きく変わったものになりました。

 なぜなら、シャアはアムロとの戦いで心の支えであったララァ・スンを亡くしているからです。これがなければシャアはザビ家を滅ぼした後、すぐにでも歴史の表舞台に立ったかもしれません。そうなれば宇宙世紀の歴史はまったく違ったものになったでしょう。

 そう考えていくと、ジーンのこの「やらかし」は宇宙世紀の歴史に多大な影響を与えるほどの出来事でした。出世はできなかったジーンですが、宇宙世紀のなかでは、「アムロを戦いの場に導いた」という悪名で、案外有名人になっているかもしれません。

 もし、宇宙世紀の「IF」を考えた時、まずこのジーンの行動を止めることこそが、もっとも大きな歴史改変を生み出すことになるでしょう。

【画像】「ガンダム主人公」誕生に居合わせたMSたち(6枚)

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