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劇場版『銀河鉄道999』で鉄郎はなぜ「美少年」に? 監督が明かした理由とは

名作アニメ『銀河鉄道999』の1979年の劇場版では、主人公・星野鉄郎は原作やテレビアニメと似ても似つかない美少年でした。「僕らの知っている鉄郎じゃない!」と思った人は多かったようです。なぜそのようなことが起きたのでしょうか。

親しみのある顔から「美少年」になった理由は?

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『銀河鉄道999』は原作、アニメともに幅広い世代から人気の作品です。しかし1979年の劇場版アニメになると、主人公の星野鉄郎が「美少年化」しており、これまでの原作やアニメに親しんでいたファンは戸惑いを隠せませんでした。

 松本零士先生作『銀河鉄道999』は1977年から「週刊少年キング」で連載が開始され、翌年にはTVアニメ化されます。主人公の少年・鉄郎は、小柄で丸顔の低い鼻が特徴で、「ジャガイモのような顔」と言われたこともありました。ただ、さまざまな星を旅して成長していくうちに、鉄郎がかっこよく見えてくるから不思議です。

 ところが、1979年に上映された劇場版『銀河鉄道999』の鉄郎は、なぜか涼しげな顔の美少年になっていました。全てのキャラクターが一新されているなら分かりますが、姿が変わっているのは鉄郎だけです。しかも声優陣も全く同じなので、余計に鉄郎の違和感が強調されます。

 劇場版の『銀河鉄道999』は、同じく松本先生原作で1978年に放送された『宇宙海賊キャプテンハーロック』のスタッフがそのままシフトして、作品を手がけていました。劇場版を作るにあたって、原作やアニメでは10歳だった鉄郎の年齢設定が15歳になっています。もともとは鉄郎は母親が殺された後すぐに999で地球を発ちますが、劇場版では5年後に旅立つという物語になっていました。

 そして、劇場版の監督だったりんたろう氏は2022年の劇場版『銀河鉄道999』のドルビーシネマ版の舞台挨拶で、年齢を引き上げた理由を「東映の当時の社長が、少年から青年までの層を狙うアニメーションを作りたいと言っていたことがきっかけです」「劇場版ではTVシリーズの延長戦というわけにはいかないので、主人公の鉄郎の設定を変えるくらいのことをしないと成り立たない。やっぱり脚本でも『少年の旅立ち』というのを意識してもらいました」と明かしています。

 それにしても5歳分成長したからといって、人の顔がそんなに変わるものでしょうか? という疑問はさておき、劇場版はアニメ版と一味違う冒険活劇的要素が満載でした。そのクオリティの高さで79年の日本映画の配給収入第1位となり、主題歌も大ヒットします。1981年には、劇場版第2作『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』も公開され、ヒットしました。

 その後、17年ぶりに公開された1998年の劇場版第3作『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』では、松本先生自身が総設定を担当しています。そして、鉄郎は原作やTVアニメの姿に戻っていました。松本先生自身も、美少年版の鉄郎に違和感を抱いていたのかもしれません。

 ゴダイゴの主題歌とともに美少年の鉄郎の姿はかなり有名になっていますが、昔からのファンの心に残る鉄郎は、松本先生が描いたものであることは間違いないでしょう。

(LUIS FIELD)

【画像】メーテルが隣にいないと、特に別人に見える? 「美少年」版の鉄郎を見る(3枚)

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