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覚えてる? 2003年版『ハガレン』の最終回 「異世界転移」で終わる衝撃のラスト

今からちょうど10年前の2003年10月4日は、TVアニメ『鋼の錬金術師』の放送が始まった日です。当時は原作マンガが連載中だったため、中盤以降はアニメオリジナルのストーリーが展開されました。もちろん当時は賛否両論の声もありましたが、今にして思えば原作とは違った魅力を楽しめる作品だったように思えます。

救われなさはある意味『ハガレン』らしい?

主人公のエドが死んで、よみがえって、また今度は……。怒涛の最終回を覚えてる? 著:荒川弘『鋼の錬金術師』第1巻(スクウェア・エニックス)
主人公のエドが死んで、よみがえって、また今度は……。怒涛の最終回を覚えてる? 著:荒川弘『鋼の錬金術師』第1巻(スクウェア・エニックス)

 ちょうど今から10年前の2003年10月4日に、TVアニメ『鋼の錬金術師』の第1話が放送されました。しかしこの頃は原作マンガが連載されている真っ最中で、単行本は8巻までしか世に出ていませんでした。そうなると、当然アニメでは原作の内容を表現できないため、オリジナルストーリーが展開されることになります。TVアニメ10周年の今だからこそ、その衝撃的な内容を振り返ってみましょう。

※この記事には2003年版のTVアニメ『鋼の錬金術師』と、劇場版『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』の内容を含みます。

 まず2003年版のTVアニメ『鋼の錬金術師』は全51話の4クール作品で、正確にはその後に放送された劇場版『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』が実質的な最終回でした。

 マンガでは敵役として七つの大罪をモチーフとした名前を持つ「ホムンクルス」が登場しますが、その基本的な設定はアニメ版でも変わりません。ですがアメストリス国の最高権力者、キング・ブラッドレイの設定には違いがありました。原作では「憤怒(ラース)」と呼ばれるホムンクルスであるはずの彼が、アニメでは「傲慢(プライド)」のホムンクルスとして登場したのです。

 では原作で「プライド」だったブラッドレイの息子(養子)セリムはどうだったかというと、アニメ版では普通の人間の少年です。それも最終回に、ブラッドレイの弱点である頭蓋骨を持ってきてしまい殺されてしまいます。そしてその頭蓋骨をロイ・マスタングが利用して、ブラッドレイに勝利する……という展開でした。

 一方で主人公のエドワード・エルリック(以下:エド)は、ホムンクルス「エンヴィー」との戦いで死亡します。その後、弟のアルフォンス(以下:アル)がエドを錬金術で生き返らせることと引き換えに「真理の扉」の向こう側へ行ってしまいました。それを知ったエドがアルを呼び戻すものの、代償としてエドは錬金術のない平行世界のドイツに転移してしまい、父であるホーエンハイムと元の世界に戻る方法を模索しながら暮らすことになります。

 やはり今振り返ってみても、かなりアクロバティックなストーリー展開です。まさか『鋼の錬金術師』で異世界転移オチが待っていようとは、多くのファンが度肝を抜かれたことでしょう。当時も衝撃を受ける視聴者は多かったようですが、そもそも同作の舞台設定がどことなくドイツっぽいため、ファシズム台頭直前のドイツにエドが飛ばされたことには妙な納得感がありました。

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