社会現象化『ビックリマン』渦中にあった少年は…? かつての熱狂的ブームを振り返る
1985年に登場した、ロッテのお菓子「ビックリマン」に封入されたおまけ「悪魔VS天使シール」は、当時の子供たちを熱狂させました。その渦中にいた筆者が、「ビックリマン」の思い出を振り返ります。
社会問題になるほど子ども心を鷲掴み!
約40年前、ロッテのお菓子「ビックリマン」に封入されていたおまけ「悪魔VS天使シール」は、天使、悪魔、お守り、ヘッドのいずれかのシールで、これが子どもたちを熱狂させました。果たしてどういったものだったのか、その「ビックリマン」の思い出を振り返ります。
ウエハースを捨てる輩が社会問題に
小銭を握りしめ、コンビニや駄菓子屋でひとつ30円の「ビックリマン」を購入し、封入されたシールに一喜一憂した少年時代、私こと筆者はシールをコレクションしつつ、美味しいウエハースチョコをおやつとして食べるという、真っ当な向き合い方をしていました。
ところが不届き物はいるもので、シールだけを抜き取り、ウエハースを食べずに捨ててしまう輩が現れはじめます。小学館のマンガ誌「月刊コロコロコミック」やニュース番組などでそのことが取り上げられ、「きちんと食べろ」と注意喚起がなされるほど社会問題になりました。
しかし当時、自分の周りにそんな子どもはいなかったし、シールを集めていない子からはウエハースチョコを「くれ」というリクエストもあったぐらい、お菓子そのものも人気だったため、子どもながらに「ははーん、親や敵対するメーカーがビックリマンを買わせないためのでっち上げニュースだな」と疑っていたものです。
『ビックリマン』の正しい遊び方は眺めること?
子どもは遊び方が謎なアイテムでも嬉々として集めてしまうもので、私自身でいえば「キン消し(キン肉マン消しゴム)」「匂い玉」「SDガンダム消しゴム(ガン消し)」、アマダの「SDガンダムカード」などの遍歴があります。そして「ビックリマン」は、キン消しの次にやってきた「遊び方が謎コレクション」です。
のちに調べてわかった正規の遊び方は、悪魔シールにお守りシールを貼り、さらにその上に天使シールを貼るというよくわからないルールでした。しかしそんなもったいないことをする子どもはひとりもおらず、もっぱら友達と交換したり、ヘッドという希少価値の高いキラキラシールが当たった日には、数分おきに保管していたクッキー缶から取り出しうっとり眺めてはしまい、取り出しては眺めを繰り返したりするのが、自分の「正しい」遊び方でした。
それくらい少年たちを熱狂させる「ビックリマン」ですが、この呪いにかからない子どもも少なからずいて、気まぐれで購入するものの興味がないため「シールは貼るもの」という当たり前のような反射でタンスに貼ったり筆箱に無造作に貼ったりする子どもも現れました。自分の持っていないシールがそのように粗末に扱われているのを見ると、怒りにも似た気持ちが沸き上がりました。