手塚治虫「ブラック・ジャック展」六本木で開催中 時代背景ふまえ、多角的に物語を読み解く 連載50周年で
2023年10月6日から、東京・六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで連載開始から50周年を記念した「手塚治虫 ブラック・ジャック展」が開催中です。500点以上の原稿に加え、連載当時の「週刊少年チャンピオン」や当時の単行本などが公開された展示の様子をレポートします。
ブラック・ジャックの「魂の叫び」が迫ってくる

2023年10月6日(金)から11月6日(月)にかけて、連載開始から50周年を記念した「手塚治虫 ブラック・ジャック展」が六本木ヒルズ森タワー52階「東京シティビュー」で開催中です。500点以上の原稿や連載当時の「週刊少年チャンピオン」といった貴重な資料に加え、ファンが楽しめるフォトスポットなども用意された展示の様子をレポートします。
迫力あるブラック・ジャックのキービジュアルに見守られながら会場入りした方がまず目にするのは、海抜250メートルの屋内展望回廊の壮大な空間に据えられた展示です。窓面には東京の絶景をバックに『ブラック・ジャック』の名セリフが貼り付けられています。特に目立つのが、ブラック・ジャックとピノコ、そして去り行くDr.キリコの後ろ姿が描かれたビジュアルで、刻まれたブラック・ジャックの魂の慟哭は見る人の心を揺り動かす哀愁に満ちています。
また、ブラック・ジャックとピノコが過ごした家の間取りを再現したフォトスポット「ブラック・ジャック邸」も用意されており、登場キャラクターになり切って記念撮影ができるのも大きなポイントでしょう。
エントランスから通路を進んだ先の第1室が「B・Jとキャストたち」のエリアです。ブラック・ジャックらお馴染みのキャラクターのスタンディと自由に写真が撮れるフォトスポットとなっているので、思い出作りをしてみてはいかがでしょうか。
フォトスポットを過ぎると、いよいよ数多くの展示品が待ち受けているエリアに。第2室「B・J誕生秘話」では、当時の手塚氏を追い込んだ劇画全盛時代のマンガ雑誌や、「虫プロ」倒産時の新聞記事、「虫プロ」時代の写真や『新寶島』の単行本などが展示されています。
さらに鉄腕アトム関連の動画や資料に加え、手塚氏が医大生時代に書き残したノートを始めとする医療関係の資料にブラック・ジャック第1話の原稿など驚愕の資料が続々と姿を現します。当時を知る関係者による『ブラック・ジャック』誕生にまつわるエピソードが語られる動画も上映されており、連載スタート当時の状況をつぶさに知ることができるでしょう。