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作者も悩んだジャンプキャラの「復活」劇 「無理がある」「でも物語には不可欠」

マンガを読んでいて人気キャラや重要なキャラが死亡し、悲しい気持ちになった経験を持つ人が多いでしょう。しかし、いざそのキャラが復活したとなるとうれしい反面、「これでいいのか?」と複雑に感じることもあるのではないでしょうか。

復活には意味があった!

多くの男性を魅了し、ついには拉致されてしまう美しきヒロイン・ユリア「北斗の拳 究極版 9巻」(コアミックス)
多くの男性を魅了し、ついには拉致されてしまう美しきヒロイン・ユリア「北斗の拳 究極版 9巻」(コアミックス)

 マンガの人気キャラの死は、読者を深く悲しませます。しかし、なかには死んだと思ったキャラが突如復活して「それは、ちょっと無理があるのでは……」と、うれしいもののなんだか複雑な気持ちになってしまったことはないでしょうか。この記事では、「週刊少年ジャンプ」の作品から、そんな賛否分かれるキャラの復活劇を紹介します。

●『北斗の拳』ユリア

 マンガ『北斗の拳』の主人公・ケンシロウの恋人であるユリアは、彼女に思いを寄せるシンに拉致されてしまいます。1年後にケンシロウが助けに駆け付けた時には、すでにユリアは自らの自ら命を絶ってしまった後でした。ユリアはシンが自分のために殺戮や強奪を繰り返すことが、耐えられなかったのです。

 そのため、ユリアを助けにきたケンシロウと対峙した時には、シンはケンシロウの戦意を喪失させようと、ユリアそのもののように作り込まれた人形を用意して戦いに挑みました。

 死んだと思われていたユリアですが、実は彼女は南斗六星の将のひとりの「慈母星」で、彼女を守護する南斗五車星によって救われ、無傷のまま生きていたことが判明します。

 このユリアの復活については、原作者の武論尊氏も『北斗の拳』公式サイトの特別インタビューにて、「賭けだった」「でも、そこに賭けないと話が転がらないから」とコメントしていました。

 ユリアが生きていたことに対し、ネットでは今でも「マジかよと思ったけど、これが『北斗の拳』の面白いところ」「ユリアが生きてたおかげで、五車星のドラマとかラオウとの決着とか、話が膨らんで結果よかったのではないか」といろんな意見が出ています。

●『ジョジョの奇妙な冒険』モハメド・アヴドゥル

 モハメド・アヴドゥルは、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の第3部「スターダストクルセイダース」に登場するキャラです。主人公・空条承太郎の祖父であるジョセフ・ジョースターのよき友人で、炎を操る「マジシャンズ・レッド」で戦う強力なスタンド使いでした。

 承太郎たちと一緒にエジプトに向かっていたアヴドゥルは、インドでのJ・ガイル、ホル・ホースとの戦いにて頭を撃たれ、死亡したかのように思われました。しかし、スタンド「審判(ジャッジメント)」を使うカメオとの戦いにて、仲間のポルナレフが絶体絶命の危機にさらされたときにアヴドゥルが突如現れ、彼を救ったのです。

 本人曰く、ホル・ホースの拳銃のスタンド「エンペラー」に撃たれる前に、J・ガイルのスタンド「ハングドマン」に背中を刺されてのけぞっていたおかげで、皮膚と頭蓋骨を少し削り取られるだけで済んだとのことでした。

 もともとは落ち着いた印象のアヴドゥルでしたが、復活後は敵に小便をかけたり、「YES I AM !」と今までに発してこなかった言葉を口にしたりと、少し性格が変わったようにも見えます。ネット上では「脳が刺激されてハイテンションになったのか」などの声もあり、撃たれたことによる影響と考察している読者もいました。

 そんなアヴドゥルは、残念ながらラスボス・DIO戦の前にヴァニラ・アイスの攻撃からポルナレフを庇い、今度こそ死んでしまいました。ヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」によって暗黒空間に飲み込まれ、ほぼ即死のような最期を遂げています。ファンの間では「アヴドゥルはポルナレフのために2度死んだ」「1回復活したのにあっけなすぎる」「『マジシャンズ・レッド』が強すぎる分、あんまり活躍できてなかったイメージ」などと、彼に同情する声があがっていました。

【画像】スピンオフでタッチが変わってもずっと「悲しそう」? 過酷な運命に生きた幸薄い美女・ユリアを見る(5枚)

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