ロックスと黒ひげの関係性 『ワンピ』奇妙な共通点に隠された秘密って?
「海賊王」ゴール・D・ロジャーにとって、最強の敵だったと語り継がれているロックス・D・ジーベックには、後継者として「黒ひげ」マーシャル・D・ティーチの名が良く挙げられます。その背景には、ちょっとした関係性が隠されているようです。
「黒ひげ」はロックスの意志を継ぐもの?
『ONE PIECE(ワンピース)』の読者にとって、ロックス・D・ジーベックの名前は畏怖を伴って受け止められています。彼はのちに四皇となる部下たちを従えていた大海賊であり、「海賊王」ゴール・D・ロジャーにとって最大最強の宿敵でした。
そんなロックスをめぐり、読者のあいだでは現在の四皇である「黒ひげ」マーシャル・D・ティーチとの関係性がよく考察されています。時系列的な接点はないものの、実際にふたりには意外な共通点が数多く存在していました。
ロックスは物語の約40年前に存在していたとされる海賊で、38年前に起きた「ゴッドバレー事件」にて戦死したといわれています。生前は悪逆の限りを尽くしていたらしく、部下には「白ひげ」エドワード・ニューゲートや「ビッグ・マム」シャーロット・リンリン、百獣のカイドウ、そして「金獅子」シキをはじめとしたそうそうたるメンバーを従えていました。
そんな歴史的人物とティーチには、いったいどんな共通点があるのでしょうか。まず注目すべきは、「黒ひげ海賊団」の船「サーベルオブジーベック」号です。ロックスとティーチに直接的なかかわりはないはずなのに、なぜ自身の船にロックスの名前を冠しているのでしょうか。翻訳すると「ジーベックの洋刀」となるところも気になります。
またティーチが拠点としている海賊島「ハチノス」は、かつてロックスがひとつのもうけ話をエサに海賊たちをかき集め、「ロックス海賊団」を結成したゆかりある場所でした。さらにいえば実力ある海賊たちを仲間に引き入れたという点も、「インペルダウンLv.6」の囚人たちを仲間に引き入れ、一気に勢力を拡大した「黒ひげ海賊団」とどこか通じるものを感じるでしょう。
そうした共通点からロックスとティーチの関係性を考察する人は多く、ティーチが手に入れた「ヤミヤミの実」の能力については、ロックスが「前任者」ではないかとささやく声も聞かれます。
かつてロックスの元部下であるカイドウは、「“能力”が世界を制する事はない!!!」と発言したことがありました。まるでその目で見てきたかのような物言いでしたが、もしこれがロックスのことをいっているとしたらどうでしょうか。
「世界の王」を目指したロックスが能力者で、非能力者であるゴール・D・ロジャーとモンキー・D・ガープに敗れ、夢が潰えたとするならば話の筋としては通るはずです。
そしてロックスがもし歴史上最も凶悪な能力とされた「ヤミヤミの実」の能力者であったとすれば、「世界最強」とうたわれた理由も頷けます。また、若い頃から狂暴だったであろう、カイドウなどの猛者たちが彼に従っていたことも納得できるでしょう。
能力者であったロックスをリスペクトしていたからこそ、ティーチはあれだけ「ヤミヤミの実」に執着していたのかもしれません。
さらにメタ的な考察にはなりますが、作中ではロジャーの意志を継ぐものとして、モンキー・D・ルフィの名前がしばしば挙げられてきました。そしてルフィはティーチとよく対比されていることで有名です。原作者である尾田栄一郎先生の脳内では、ロジャーからルフィへの系譜に対して、ロックスからティーチへの系譜が構想されているのでしょうか。
ロックスとティーチの関係性は、数々の共通項から「何らかのかかわりを持つ」と考えられています。はたして、今後ふたりの系譜が詳しく明かされる日はやってくるのでしょうか。
(ハララ書房)