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ジャニーズの「メディア支配」は崩壊 世界に通用する番組づくりで「声優」は浮上するか?

性加害問題が大きく取り上げられる前まで、「ジャニーズ事務所」が大きな力を持てていたのは、長い間エンタメ業界が「国内市場」を向いていたことが背景にありました。一方、アニメの輸出が盛んな現在は「声優」の認知も世界的に広がっています。海外にも通用するコンテンツを創造するうえで、「声優」の起用は広がっていくのでしょうか?

国内市場の縮小で「メディア支配」は限界に

声優の木村昴さんがMCをつとめる、テレビ東京のバラエティ番組『おはスタ』ポスタービジュアル(小学館集英社プロダクション)
声優の木村昴さんがMCをつとめる、テレビ東京のバラエティ番組『おはスタ』ポスタービジュアル(小学館集英社プロダクション)

 故・ジャニー喜多川氏の性加害問題で、「ジャニーズ事務所」という日本の芸能界を長年支配してきた体制が終わりを告げることとなり、数多くのテレビ番組に出演してきたタレントたちの今後はどうなるのか、テレビ番組制作側にどのような意識変化が生まれるのかに注目が集まっています。

 2023年10月2日の記者会見で、ジャニーズ事務所は社名を一新し、被害者への補償が完了しだい解体すること、タレントのエージェント業務を行う別会社を立ち上げることを発表しましたが、すでにNHKが定例会見でジャニーズ所属のタレントの新規番組出演について「当面控える」と発表。他局もこれに追随し、既存のレギュラー出演作品は別として、新規にジャニーズタレントの番組出演を見送る動きが広がっています。

 そして、ジャニーズ事務所による記者会見の運営を行っていたPR会社が、指名する記者の「NGリスト」を作成していたことをNHKなど各報道機関が報じていることから、すでにテレビ局はジャニーズ事務所を守るつもりはないと見えます。

 端的にいえば、メディアは有力なタレントを優先的に確保でき、ジャニーズ側は有力な媒体に不利なく有利に露出するという、長年続いてきたと見える「持ちつ持たれつ」の蜜月関係が崩れたということです。

 ジャニーズ事務所が本当に変われるのか、テレビ局をはじめとするメディア側の反省は十分なのかなど、多くの疑問や課題は残っていますが、芸能界の勢力図が大きく変わろうとしているのは間違いなく、ジャニーズと大手メディアが組んで維持し続けてきた、ドメスティックな市場だけで回していくエンタメ産業の終焉が見えてきている状況と言えます。

 とはいえ、今回の問題が大きく話題になる以前から、その兆しはあったと見ることもできるでしょう。

 そもそも、ジャニーズ事務所がコントロールできるのは国内の既存メディアに限られます。長年、同事務所はインターネットに進出してきませんでしたが、「ネットの世界はコントロールが効かないから」というのも大きな理由のひとつと言われています。とりわけ、ジャニー氏やメリー氏、広報を仕切っていた白波瀬氏などは、ネットに疎かったと言われています。

 しかし、人びとがネットから情報を集め、あらゆるコンテンツがネットを経由しグローバルに流通する時代に、ネット進出を拒み続けることは現実的ではなくなりました。ネット進出に後れをとったジャニーズ事務所は、グローバル市場では国内ほどには大きな存在感を発揮できていません。

 日本は人口減少時代に突入し、国内市場は縮小傾向にあります。ドメスティックな市場を中心にやってきたテレビ各局、その他エンタメ産業全体がこの危機感を持ち始め、国内市場だけにしがみつき続けることに限界を感じ始めています。ジャニーズ事務所と既存メディアのように、国内市場だけを守るやり方そのものが、成り立たない時代になってきたのです。

 そういう時代の変化を敏感に感じているジャニーズタレントも当然います。昨年、海外展開に関する方向性の違いでKing & Princeの3人が脱退を表明しましたが、これはジャニーズ事務所に所属したままでは海外進出することが難しかったことを示唆するでしょう。また、2022年にメジャーデビューしたTravis Japanはあらかじめグローバル展開を視野に入れた活動をしています。

 今回の性加害問題も、イギリスBBC放送の報道が大きなきっかけになっていますが、国内でブロックしていても海外から崩される。そういう時代になっているのです。そもそも、ジャニーズ的な支配のやり方は遅かれ早かれ通用しなくなってきているのです。

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