『地獄少女』白石晃士監督が描く、人間の闇「キラキラしたものを穢してしまいたい」
現場で感じた、玉城ティナのすごさ、熱心さ

——白石監督の代表作『オカルト』(2009年)はオウム真理教による無差別テロ、2012年に始まったオリジナルビデオ「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズには福島第一原発事故以降の不穏な世情が作品の背景となっていました。今回はそういった社会背景は意識していますか?
『オカルト』や「コワすぎ」は、うっすらとですがその時代に起きた事件的なものをイメージして撮っています。まぁ、今回は観てくれた人たちがそれぞれ見つけてくれればいいかなと思っています。強いて挙げるとすれば、先ほども触れたように「羨望」が「嫉妬」に変わり、やがて憎しみとなってしまうという心理的な部分でしょうか。今の世の中には、そんな感情があふれているんじゃないかと思うんです。
SNSの世界は特にそうですよね。キラキラとしたものを穢してやりたいと思ったり、マウンティングすることで自分の支配欲を満たそうとする。最近のSNSの世界を投影している部分はあるでしょうね。
——『貞子vs伽椰子』にもメインキャストとして出演していた玉城ティナさんとの、久々のタッグはいかがでしたか?
3年ぶりだったんですが、本当に素晴しい女優に成長していました。『貞子vs伽椰子』の時も仕事への取り組み方がとても熱心だったんですが、そういった姿勢が積み重なって、ブレイクしたんだと思います。今回はカメラに対する目線とか、そういった細かい部分の指示を出したくらいで、閻魔あいのキャラクターに関してはほぼお任せでした。
彼女のすごさは、架空の存在であるはずの閻魔あいが「そこにいる」と、ちゃんと感じさせてくれるところです。閻魔あいが地獄送りにする相手や、依頼者に対する複雑な気持ちをほんのり感じさせてほしいと頼んではいたんですが、具体的にどう演じるかは説明していませんでした。でも、彼女はそういった微妙な表情もしっかりと表現してみせてくれました。信頼できるプロの俳優ですね。また、タッグを組む機会があればいいなと思っています。
(長野辰次)
●映画『地獄少女』
監督・脚本/白石晃士
出演/玉城ティナ、橋本マナミ、楽駆、麿赤兒、森七菜、仁村紗和、大場美奈(SKE48)、森優作、片岡礼子、成田瑛基、藤田富、波岡一喜
配給/ギャガ 2019年11月15日(金)より公開
https://gaga.ne.jp/jigokushoujo-movie
(C)地獄少女プロジェクト/2019映画『地獄少女』製作委員会







