ジャンプ人気作のアニメ化までに「必要な時間」とは? アニオリの配分が決まるワケ
人気マンガがアニメ化される時、気になるのが「オリジナル要素」でしょう。時にはファンの間でも賛否両論になるのが、アニオリ展開です。その配分を、アニメ制作時期の連載展開から読み解きます。
人気マンガがTVアニメ化される条件とは?

アニメ作品のなかでも、毎クール特に注目を集めることの多いのが「週刊少年ジャンプ」の作品です。数多くの連載マンガをヒットさせ、さらにアニメ化することでより大きな人気を得てきました。しかし、それは年代とともに少しずつ変化しています。
ジャンプ作品で最初にアニメ化されたのは、『男一匹ガキ大将』(1969年)です。当時は『ハレンチ学園』と合わせて、二大看板作品と言われていました。ちなみに一方の『ハレンチ学園』は、1970年に映画とTVで実写ドラマ化されています(一部で最初のアニメ化と言われている『紅三四郎』は、アニメ企画と連動した実質的コミカライズ作品でした)。
しかし、現在のようにジャンプアニメが本格的に動き出したのは『Dr.スランプ』(1981年)からでした。なぜなら、それまでのジャンプ編集部は、アニメ化には積極的ではなかったからです。その理由は、アニメになることで、マンガを読まなくていいと考える読者が多いと思ったからでした。
ところが、フジテレビ側からの強い要請に折れて『Dr.スランプ』のアニメ化に踏み切ったところ、連載マンガへの注目度が急速に上がり、さらには多大な版権収益があったことでジャンプ編集部は方針転換をします。そして、これ以降はアニメ化に対して、積極的なスタンスとなりました。
このアニメ化で問題となるのが、原作マンガの「ストック」です。コメディマンガはともかく、ストーリーマンガでは重要なことでした。なぜならTV作品1話で必要とする内容は、マンガ連載4話分前後に匹敵すると言われているからです。
単純計算で1年分のTVアニメの場合、マンガは4年の連載期間が必要となります。しかしながら、連載マンガの旬は数年程度が普通です。そのため、人気の高い時期にTVアニメ化し、足りない部分はオリジナルの展開を挟むというのが定番となりました。
このアニメオリジナルは作品によってさまざまな展開が用意され、時には高評価、時には批判の種を生むことになります。そこで「20世紀中のジャンプアニメ」を振り返って、TVアニメ化放送時に原作はどこまで進んでいたかを確認していきましょう。
どうして20世紀に限定するかと言えば、21世紀以降のTVアニメでは分割クール制が主流となり、過去のようにアニメオリジナル展開がほとんどないからです。もっとも、こちらの問題もないわけではありません。
例を挙げると、『ハイキュー!!』や『鬼滅の刃』のようにマンガ連載が終了して数年経っても、アニメで完結まで観られていないケースがあるからです。ファンにとっては悩ましい問題でしょうか。